「ストレス対処力SOCの専門家が教える ”おれない心”を作る3つの方法 」抜き書き

これは、普通に良い本だった。「ストレス対処力SOCの専門家が教える ”おれない心”を作る3つの方法 」

ストレス対処力SOCという考え方に基づいて、「わかる感」「できる感」「やるぞ感」の3つの感覚を養うことで、ストレスに強い考え方を身につけていくという内容。著者はユーゴスラビアなどで研究をしてきていて、戦時下でもストレスをコントロールして生きてきた人と、そうではない人を見て、SOCの重要性を認識したという。

 1 「わかる感」を高める質問

・質問1. 「わかる必要のある問題」と「わかる必要のない問題」を見極められていますか?

 どれだけ考えても現状や今後の状況が分かると思えない問題については、その問題から離れて「目の前にあるできること」「やらなければならないこと」に取り組むことが良い。

 

・質問2. イヤな感情や感情の変化を理解し、上手に表現できていますか?

 不安や怒りを押しこめるのではなくて、どうしてその感情が出てきたかを「私は」を主語にして表現する。

 

・質問3. 「なぜその問題が起きているのか」を考えてみましたか?

 「どうして自分がこんな目に!」と感じたときは、視点が偏っていたり、視野が狭まっている。客観的に考えるために「そもそも、どうしてこんな大変な思いをしているのだろう」と原点に戻るような質問を自分自身になげかけてみましょう。

 

・質問4. あなたは今、一貫性のある環境の中で生活していますか?

 「自分がどう動いたらいいのか」「まわりに期待してもいいことは何か」がわからないのは、規律やルール、そのルールについての責任の所在、価値観などがはっきりしていないからではないでしょうか。どうしたら一貫性のある環境で生活することができるのか、考えてみましょう。多くの人がかかわっている職場環境を変えることは難しくても、プライベートの環境だけでも、一貫性のあるものへと改善していみましょう。

 

2 「できる感」を高める質問

・質問5. あなたを助けてくれる存在に気付けていますか?

 あなたを助けてくれる"元気力のモト"に気づけると、それだけで、「なんとかなるだろう」と思いやすくなります。「悩みを解決するのに役立ちそうな情報はないか」「実際、手助けしてくれそうな人はいないか」「心の傷を癒してくれる存在はいないか」「助け合いの精神のある人たちに囲まれているか」など、"元気力のモト"がまわりにいないか見渡してみましょう。

 

・質問6. 他人から上手に助けてもらえていますか?

 あなたは困ったとき、他人から助けてもらえていますか。もし助けてもらえていないのであれば、4つのステップ(まず、相手を受け入れる。)を踏みながら相談するイメージで頼ってみましょう。

 

・質問7. 心を開いていい相手を見極め、頼ることができていますか?

 自分の心の傷を小出しにして、相手の反応を見極める。

 

・質問8. 自分のもっている可能性に気付けていますか?

 あなたはものごとの良い面に気づいていますか。ものごとには良い面もあれば、悪い面もある。

 

・質問9. 健康な身体をつくっていますか?

 バランスのとれた食事。歩いたり運動をする。

 

・質問10. バランスのとれた、適度なストレスにさらされながら、生活していますか?

 退屈しすぎていないか? ストレスが大きすぎるようで、ストレスを小さくする"元気力のモト"がまったくないようであれば、環境を変えることも選択肢に入れる。

 

3  「やるぞ感」を高める質問

・質問11. 自分の価値に気づけていますか?

 「自分なんて必要ないんだ」と思っていませんか。そんなときは自分がいなくなった世界を想像してみましょう。

 たいして必要とされていないと感じるようであれば、人や自然のためになるやさしい行動をとってみましょう。きっと「必要とされている」と肌で感じられるでしょう。

 

・質問12. 「私の当然」ばかりを押しつけていませんか?

 「ありのままの自分を受け入れてくれる人がいない」と感じていませんか。そうした場合にはまず、あなたが相手のありのままを愛し、受け入れましょう。すると、相手もあなたのことを受け入れてくれるでしょう。

 自分にも、他人にもやさしい、思いやりの心をもって生活することで、同じようにやさしい人があなたのまわりに集まってくるはずです。

 

・質問13. 人をうらやむことをあなたが成長するための原動力にできていますか?

 他人と比較して、うらやんで落ち込んだりしていませんか。

 そうした場合には、現実を受け入れたうえで「比較した相手のようになるためには、どうしたらいいのだろう」と考えてみましょう。すると「うらやましいと思う気持ち」をあなたが成長するための原動力にできるはずです。

 

・質問14. 不本意な仕事や失敗にも意味を見いだせていますか?

 不本意な仕事ばかり頼まれたり、失敗してしまったときも「やってられない」「もうどうでもいい」と投げやりになっていませんか。そんなときは、「この仕事は、誰かの役に立っていないか」「この失敗から学べることはないか」などと自分に問いかけ、自分がそれに取り組む意味を考えてみましょう。意味を見出すことができれば「よし!がんばろう」と思えるでしょう。

 

・質問15. あなたを認めてくれる環境の中で生活していますか?

 あなたのまわりにいる人はきちんと認めてくれていますか。もし「きちんと認められていない」「軽んじられている」と感じられたなら、「『きみが必要だ』と思われるにはどうしたらいいのか」をしっかり考え、自分にできそうなものからトライしてみましょう。

それでもなお「認められていない」と感じる状況がずっと続き、日々、「私なんて価値がない」と苦しさが増すようであれば、思い切って、あなたの価値を認めてくれるような環境にうつることも考えてみましょう。

 

p.186-193