ストレスを感じたときのおすすめの本

ストレスあるわーと思ったときに読んだらいいんじゃないかと思う本がいくつかあるので、紹介します。

  1. 困ったときに応急措置的に読む本
  2. 心を落ち着けて自分を振り返りながら回復する本
  3. 元気になってきて、何かあっても落ち込みすぎないようストレス対処力をあげる本

の3つをご紹介していきます。

番外編として、5 疲れてきたら読んでしっかり休む本を追加した。

1.困った時に読む本

まずは、ストレスを感じているときか、ストレスは感じていないと思っているけど、どうも周りに足を引っ張られている、もっとできるはずなのに・・・何か変だなという時に読む本です。

 「「ずるい人」が周りからいなくなる本 

他人がずるいという感覚があるということは、何か自分が被害者意識を持つことだから、それって何なのかを今一度考えなおしてみるのが、この本です。「どうして自分がこんな目に!」と感じたときは、視点が偏っていたり、視野が狭まっている可能性があります。

なので、周りの人はうまくやっているのに、自分はできていないという感覚があったり、自分はしっかりやっているのにみんながルールを守れてないと思ったりすることが良くある、という場合は読んでみたら良いかもしれないです。ちょっと癖のある本なんで、あんまり真に受け過ぎない方が良いかも。悪循環を一回止めるための、風邪薬みたいな本です。

2. 心を落ち着けて自分を振り返りながら回復する本

 「愛するということ

 これは、別の記事でも長々と感心したことを延々と引用したけど、結局この本さえ読めば良いのかもしれない。という本。

どんなに色々な対症療法的な本を読んでも、根本の考え方に届かないとダメなのかもしれない。この本が良いのは、愛というのは与えられるものではなくて「与える」ものだということに徹していること。普通の悩み解決本だと周りからうまく「もらう」というニュアンスがあって良くない。そういう誤解は自分を苦しくしてしまうので、そうではなくて「贈ること」でしか楽にはならないということを納得させてくれる本。ただ、会得はぜんぜんできない感じもあるので、長く時間のかかる漢方薬的なものかもしれません。

人は意識のうえでは愛されないことを恐れているが、ほんとうは、無意識のなかで、愛することを恐れているのである。

愛するということは、なんの保証もないのに行動を起こすことであり、こちらが愛せばきっと相手の心にも愛が生まれるだろうという希望に、全面的に自分をゆだねることである。愛とは信念の行為であり、わずかな信念しかもっていない人は、わずかしか愛することができない。

という一節からしてもすごい本です。

3 元気になってきて、何かあっても落ち込みすぎないようストレス対処力をあげる本

 そして、心に向き合う心構えを日頃トレーニングする術としてもっと何かあるんじゃないかなーと元気になってきたときに心の筋トレ的に続けると良さそうなのがこの本。

ストレス対処力SOCの専門家が教える "折れない心"をつくる3つの方法

 こちらの記事に延々と引用したけれど、日頃何かちょっと辛いなというときに立ち返ることのできる15の質問があるので、それを読みながら、「わかる感」「できる感」「やるぞ感」をじっくりと広げていくことで、相当なストレス対処力を身につけられるのではないかというものです。ちなみに巻末に、自分のストレス対処力を計測できる質問もついてるので、それでどこが弱いかチェックすることもできます。

4 番外編

イライラしない、怒らない ADHDの人のためのアンガーマネジメント  」

これは、それほどおすすめというものではないのですが、何であの人は怒りっぽいんだろう、怖すぎるし話しかけたくないみたいなことがあったら、理解に役立つかもしれない本。すぐ怒るので、みんなが話しかけたがらないみたいな事が起きていたら、こういう感じかもしれません。怒ってしまう人も、それで困っていて怒った自分を否定してしまい、傷ついているみたいなことがわかってきます。

わかるので興味深いけど、それで何かできることがあるわけでもないので、自分が怒りに困っているのでなければ参考程度かも。逆にそんな感じなんだな苦しそうだな、と思って自分が勝手に想像してしんどくなったりするので、そんなに読まなくも良いかも。

みたいな感じです。他にもなんかあったら追記します。

 

<2018.8.11追記>

5 疲れてきたら読んでしっかりと休む本

自衛隊メンタルヘルスを担当している人が書いた本。

自分がムリをしているという自覚がない人が多くて、「生きがい」を失っていると感じている人の多くは実は疲れを貯めていてエネルギーが低下している状態だ、という観点で疲れをコントロールするための見積りをしっかりしていくことをお奨めする本。

ムリを貯めやすい人は、「子どもの心の強さ」しかない。つまり頑張る自分が好き、という特徴がある。今の自分を愛する大人の強さに移行することで克服できる。もう一つは、「短期目標で乗り切る癖がある」こと。短期の目標は認識しやすく共同活動がしやすいので、仲間と一緒にやりとげるという感覚を持ちやすい。短期目標は必死になりやすいので、小さな悩みを忘れやすい。

 ムリを自覚できないのは、ストレスがかかるとムリを麻痺させるシステムが人の身体の中で発動するから。緊急事態では麻痺させないと活動できなくなるので、ストレスがかかると苦痛を忘れることができる。二つめの自覚できない理由は、疲労の質。頭脳・感情労働による疲労は肉体疲労に比べて認識しづらい。そのため気付かないうちに疲労がたまってしまう。三つめは、比較による評価をする癖。他の人も頑張っているのだから、みたいな発想で評価をしてしまう。でも仕事場だけ比較しても、ライフイベントによるストレスは評価できない。また昔の自分と比較してしまうのも危ない。加齢によって体力は低下しているので疲労には弱くなっている。年をとると感情の処理がうまくなるぶん、疲労の蓄積に気づかなくなったりする。四つめは、疲労がたまると同じ作業でも感じる疲れが違うことによるもの。疲れてくると全く同じ作業をしていても回復までに二倍の時間がかかったりするようになる。そうなると去年もこの仕事をこなしたのに・・・などと自分を責めるようになる。

「自分のせい」が短期的には一番楽。疲れてくるとエネルギーが低下して周りのせいにしなくなる。実はエネルギーが切れかかっている人にとって、短期的には一番楽な解決法。今やるのは「これから頑張らなくちゃ」とかんがえることだけで良い。もし、明日休むとなると、それを課長にどう伝えるかに悩み、同僚に仕事を依頼し、先方への断りの電話をどうするかなど、急激に精神的、物理的作業量が増える。それより、自分のせいにして早く寝た方がいい。

疲れのせいで、思考力が低下し、物事を決めることができなくなる、考えるのが負担なので、これまでのやり方に固執するようになる。不安が極端になり、悲惨な結果しか予測できない。明るい未来を見られず、将来のイメージをもてなくなる。極端に自分を責め、自身がなくなる。それを他人から指摘されそうで、ひとを避けるようになる。人を頼れなくなる。このような「別人化」が進んでくると、援助を求める、違う見かたをする、周囲の空気を読む、自分をケアする、気分転換するなどのその人が元気な時ならできた対処行動ができくなくなってくる。

原始時代では心底疲れ果てることは難しかった。肉体的な疲労が先に来て、その回復をしなければいけないから。物質的に満たされた現代ならではの「死にたい」ほどの疲労が起きている。

自責の念から仕事を断れず、それでも仕事をしようすとするとエネルギーがないので進まず、周囲に認められているという感覚もどんどんとなくなり、足を引っ張ってばかりの自分は解雇されるという妄想につながっていく。「解雇されるのか、されないのかはっきりしてくれ」と考えるようになり、「この仕事ができなければ死ぬしかない」と極端な発想に飛んでいく。

でも、その極端な発想になっていることに自分では気づけない。

 

ムリを防ぐためには、まず「時間」で管理するのが手っ取り早い。強制的に休むこと。

そして、「ムリをすることが好き」という根本的な価値観を修正する必要がある。具体的には「頑張らない自分」を認めること。その場合に「方針変更」ではなくて「追加」と考えることが大事。「子どもの心」の上に「大人の心」を追加する。過去の自分を否定するという考え方だとうまくいかない。「7:3」の目標設定が大事。ムリをしないという目標をいきなり10実現するとムリがまた生じて続かなくなる。70%くらいできたら最高だと評価し続けること。

上司は、能力の高い人ではなくて平凡な人が務めた方が良い。そうしないと、上位の人にペース合わせをしてしまって組織が疲弊する。平凡な人にあわせると、上位の人は不満を抱くけど、下位の人の回復を図れるようになる。組織として持続できるようになる。

ストレス見積表を作って、年間のストレス量をコントロールする。ストレスも10年もののストレスなど加齢によって解放できなくなっている疲労があるので、それも加味してストレス許容量をこえるイベントが入ってきていないかをチェックして、イベントの配置をプライベートも含めて計画する。そして回復できるように休息をデザインする。