自分で予測しておいて行動が全然伴っていない

Jトラストの現況を受けて反省する。不動産バブルが崩壊するかも、という話題については以下のような感じのことを思っていたけど、状況がそんな感じに近づいている気もして、自分の行動が全然予測と違っている感じなので反省しかない。

まとめると、崩壊があるとしたら、

  1. 世界的な貸出資金の縮小が始まり
  2. 日本からも外資系を中心に資金流出と手じまいが始まり
  3. それにつられて国内金融機関が貸出を手じまい始めたら(これが起きるかどうかが分かれ道で)
  4. 国内のアパート建売業者、転売業者、仲介業、コンサルがあわてて売却をはじめ
  5. それを引き受ける国内投資家が、世界的な株安でダメージを受けて、投資意欲が下がっていたら(これが起きるかどうかが分かれ道)
  6. 国内の不動産がかなり下がる。

oror.hatenadiary.jp

 

書いておいてまだ脱出可能と信じていたのだとするとだいぶダメな感じ。

リスクの洗い出しとしては

 ・そもそも円安リスクを重視していた

 ・アジアシフトが全体的に進むと予測していた

 ・もし一部の国内不動産の貸し出し基準が厳しくなっても、別の金融機関が新しい貸し出し方法を見つけるのではないか

と考えていた。

 

とっているリスクとしては

 ・円高が進む

 ・アジアからの資金引き上げが急速に起こる、それによる対円での資産減少

 ・国内貸出需要の急速な悪化とそれによる収益低下

みたいなことが同時にあり得るかもしれない。

 

 で、それらが起きたとしてどうなるか

 ・それによって事業継続ができなくなるか

 ・一時的な収益の低下にとどまるのか

 ・収益増加につながる要素はあるか

 ということがある。

 

 新規で生み出される不良債権を買い取ることは可能になるので、それによって、収益低下を補うことができるかどうか、という点が一つ。焦げ付いた債権とか、またはコンプラ的に手放す必要がある債権を買い取って普通に回収するだけで結構利益にはなるのかも。

 もう一つは、通貨の価格が下がると普通は金利が上がるので純金利収入がふえるかもしれない。

 そのことによって、通貨の価格が元に戻ったときに実質的に収益性が改善しているかもしれないこと。

 

 中長期的に見た場合のアジアシフトがあるかどうか、という観点でいうとある。

 一方で、短期的には事業継続に影響が及ぶほどのダメージがあるかどうか、というのが判断点としてはある。

  財務指標としては、一株当たりの純資産額でみると微減しているだけなので、その観点では問題はあまりない。

 けど、実際の純資産額でみると200億円近く消し飛んでいるので、それでみるとめちゃくちゃもんだいがある。

 経済圏としては、アメリカの関税に関係のない領域として、アジアが注目されて通貨価値がそんなに下がらないパターンとかもあるのかも。ないのかも。ぐらいの感じ。

  気長に考えると、別にこのままでも良いのかもしれないが。そんなことで良いのだろうか。

今後の投資方針をばくっと考える

世界情勢を長期的に考えると、人民元・銀・銅・リンとかに投資するということになるんだけど、本当だろうか。

人民元チャート

銀価格チャート 

銅価格チャート

リン価格推移

以下の記事に、コモディティ価格の歴史が振り返られていて良かった。コモディティが上がって、かつ、労働人口が不足する、という二つがそろうことでイノベーションの条件がさらに良くなる。投資効果が出てくるので。

だけど、世界人口は増加するので、人口増加している国ではイノベーションが発生しづらいはず。ただ経済成長はするかもしれないが。もうすぐ一時的にだけど企業の時代ではなくなる。イーロン・マスクは詐欺師呼ばわりされるようになるだろう。仮想通貨もテクノロジーの魔物扱いされるだろう。しばらくはコモディティとか通貨でない資産が重要視されて株式の価値が相対的に下がる。そして、すぐに企業の時代に戻るけど。

チャート好き集まれ!コモディティの長期投資向け銘柄探し | トウシル 楽天証券の投資情報メディア

近未来予測2025 フューチャーアジェンダ

近未来に何が起きるのかをテーマにワークショップを世界で開いて専門家の意見を集めたという本。12のテーマが設定されている。

 

1・人口が爆発的に増加する

食料廃棄を減らすことで食糧の供給に対処できるのではないか。また牛肉の消費量は減らすべき。進む都市化に対して都市プランナーの役割は大きい。

2・資源が枯渇する

化石燃料からの脱却。安全な水の確保、水の再利用などは必要。銀と亜鉛2032年に、銅は2045年ごろに、チタンは2060年ごろに枯渇。リン肥料の不足と価格の高騰は2030年ごろにやってくる。これらの資源の解決めどはたっていない。

3・環境汚染に歯止めがかからなくなる

大気汚染への早急な対応が必要。また海洋汚染では2050年ごろにプラスチックの廃棄に対応できていなければ問題になるだろう。地球温暖化については根本的な対策はない。

4・移民は悪だ

移民政策が成功している国は少ない。カナダは少ない成功例だが他の国では増加するニーズに対して感情的な排斥論が台頭するばかりだ。

5・仕事が不足する

老年者が長く働き続けることで若年層の雇用が不足するだろう。技術の進化も雇用を奪う可能性がある。

6・女性の雇用水準の向上が、多くの問題を解決する

貧困からの離脱や、人口の抑制、健康と教育の普及、そして女性の労働参加による経済成長など、良い面がたくさんある。

7・技術が大きな問題を解決する

医療、エネルギー、輸送、食料生産などの面で技術は力になるかもしれない。だけど、地球温暖化や肥満などに対しては有効な技術的な手段はない。政府間の協定や保険会社の商品が解決するかもしれないけど。

8・答えは太陽エネルギーにある

太陽光エネルギーの普及は、ワット数あたりの発電コストの低減と規模の経済にかかっている。しかし、各国の補助金や技術革新のスピード・投資の持続には不確定性がある。

9・定年について考え直す必要がある

年金財源が寿命の延びに追いつかない。つまり定年を延ばす必要に多くの国が迫られるだろう。

10・医療費は増大の一途をたどる

対策としては予防医療の充実や、今までの常識を疑った簡素な医療によって劇的にコストを下げた手術など(インドでは西洋の一流病院とそん色のない医療を、わずか2%の治療費で行う)。

11・アジアの世紀がはじまる

インドか中国の時代が始まるけどどっちなのはわからない。だが、2025年から35年までに人民元が世界の基軸通貨になることはないだろう。2045年から2055年ごろまではドルがいまの地位を維持するだろう。その後に、本格的なアジアの時代が22世紀を目指して始まることになる。

12・GDP成長率は、社会の発展を評価する最適な尺度である

資本を多面的にとらえて企業の業績を評価する方法を主流にするという声が大きくなっていくのではないか。

 

時価総額/GDP比の現在値 2018年4月末時点

前回に引き続き、時価総額/GDP比の現在値(4月末時点数値)を調べてみます。すでに終末まできている感じしかない。

日本 87%(2014年4月末) → 92.5%(2014年9月末) → 112%(2015年2月末) → 111%(2015年3月末) → 112%(2015年10月末) → 104%(2016年5月末) → 115%(2017年1月末) → 113%(2017年6月末) → 123%(2018年4月末)  

時価総額の参照数値が一部のみから一部二部その他合算に変更

アメリカ 102%(2014年4月末) → 106%(2014年9月末) → 108%(2015年2月末) → 107%(2015年3月末) → 107%(2015年10月末) →  102%(2016年5月末) → 114%(2017年1月末) → 117%(2017年6月末) → 121%(2018年4月末) 

・計算式  時価総額÷名目GDP時価総額/名目GDP

 (過去から100%〜120%程度が高値圏と考えられる。バブル期の%の推移については、GDP/時価総額比率 1989年でGDP比率145.5%を参照。)

 ※参考データ

ここから想定される日経平均株価の高値のレンジは、ざっくり

 17,919円(108%) 〜 21,300円(128%)

 以上です。

何となく、グラフにもしてみた。

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関税によって、経済はどうなるのか

関税がもし定着して貿易量が全体として下がり始めた場合何が起きるのか。

一つは、貿易による収入が減少して世界的に不況とデフレが広がり始めるということが考えられる。なので、当面はやっぱりデフレ懸念がある・・・。

債務国は1920年代にアメリカ合衆国に負債の免除か少なくとも負債の軽減を行うことを強く要求した。対するアメリカ政府はその要求を拒否した。代わりに、アメリカの銀行が欧州諸国に対して大規模な貸し付けを始めた。そのため、負債(と賠償金)は古い負債を増額させて新しい負債を積み重ねることによってのみ支払われる。1920年代後半には、特にアメリカ経済が1929年以降に弱体化してからは、欧州諸国がアメリカからさらに金を借りるのが困難になった。同時に、アメリカの高い関税によって、欧州諸国が商品をアメリカ市場で売るのが非常に困難になった。借金を払い戻すために貿易によって収入を得ることもできず、欧州諸国は債務不履行を起こし始めた。

世界恐慌の原因 - Wikipedia

戦前の日本も大恐慌が始まる前からデフレ傾向が続いていたことが見て取れる。かなり長く大正10年ごろからすでにデフレ傾向・・・。

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アベノミクスで株価はどうなるか - ororの日記

 ちなみに、1)の前提はちょっと違う気がするけど、2)以降は意外と正しい感じになっていた感じがする。

1)世界の人口増加によって、各国が化石燃料資源を取り合うようになる。

2)地政学が重要になる。どの地域に国が位置していて化石燃料資源にアクセスしやすいかが重要になる。
 そのため軍事費も増大する。

3)緊張の高まりと、化石燃料へのアクセスを優先化するために地域毎に覇権国家を中心とした経済圏のブロック化が進行する。化石燃料の価格を上げるためにカルテルと軍事的な行動や威嚇が用いられるようになる。

4)資源国と、軍産複合体企業に資金が流れ込む。
全体として資源インフレ基調になり、先進国企業が利潤を確保するために労働分配率を低下させる。
そのため、先進国中間層が減少する。先進国消費者向け製品の伸び率が鈍化する。

5)勝者となる企業は、国家によって経営されているか、国家によって価格や販売先を保障されている。
軍事力が背景にある、旧来の資本主義がよみがえる。
20世紀型のマーケティング重視企業は、富裕層向けに差別化できない場合は消費者の没落と命運を共にする。

6)日本のような消費者向け商品が強い国は、貿易での優位性を失うため、次第に機械産業や軍需産業、エネルギー産業などに提供できる付加価値が高い製品への設備投資を増加させる必要に迫られる。つまり、経済的な理由によって武器三原則などを撤廃する動機が高まる。(哀しいことだが・・・。)
 一方で、消費者向け産業は衰退し始める。

 

参考例)
ロシアの経済制裁イギリスは参加していない。
これは、ロシアの富裕層や企業の資金決済をイギリスの金融界が引き受けることを示している。
つまり、経済制裁は機能しない。
また、イギリスBPはすでに多額の資金をロシアに投資しており、グローバルな資本はロシアの行動によって利潤を得る道を探していることも示唆されているだろう。

資本の自由化以降、日本の景気対策費も、実際には国内の設備投資に向かうことなく海外に流出した可能性が考えられる。(金額の推移などを確認する必要があるが。) 
資本の利潤は、「稀少性」を物理的に軍事的に創り出すような力学を働かせ始めてもいると想定もされるだろう・・・。端的に言えば、かつての植民地資本主義と同じように、利益を得るためには軍隊が必要な時代になってきている。あるいは、国家が資本家の利益のために使われる時代になってきている。 投資家目線では、予測はある程度しやすいと言えるが道義的には問題が大きく、個人の利益は犠牲になっていくだろう・・・。

今後の世界経済と投資 - ororの日記

 

 

全ての世界中の「中流」が深く傷ついている

 クルーグマンが激しく絶望している。世界の民主主義が次第に崩壊し、一様に民族主義的な政権がうまれていく。アメリカでもトランプが、保護主義的な主張を繰り返す、これはなぜか。なぜ世界は、第二次世界大戦前のブロック経済化のような形に向かおうとするのか。ここまで同じパターンが繰り返されるのは、避けられない構造があるからだとしか思えない的な絶望。

digital.asahi.com

クルーグマンのコラムは以下のような感じ。イタリアの政権交代EU離脱の現実味が高まるにつれて、今後の世界について最悪の事態もあり得るという見解に・・・。

どのような結果を迎えるのかは誰にもわからないが、欧州の他国の事情を見ると、いくつかの恐ろしい先例がある。ハンガリーは事実上、一党独裁国家となり、民族主義イデオロギーに支配されている。ポーランドも同じ道を進んでいるようだ。

 より緊密な経済と政治の統合を土台として、平和と民主主義、そして繁栄を目指した「欧州計画」。その長い取り組みの何が失敗だったのだろうか。すでに述べたように、単一通貨ユーロという大変な誤りによるところは大きい。ただ、一度もユーロ圏に加わらず、ほぼ無傷で経済危機を乗り越えたポーランドでも、同じように民主主義が崩壊しつつある。

・・・(エリートたちが)起きていることに向き合おうとしなかったことで、傷はさらに深まった。

・・・そして今、米国は、ハンガリーの与党に負けず劣らず、民主的な規範や法の支配をほとんど尊重しない政党によって統治されている。

上記の「起きていることに向き合おうとしなかった」というのが重要だと思う。誰に向き合わなかったのか、これはすでにマイケル・ムーアがトランプ当選前に指摘していたことだけど、それはつまり全ての世界中の「中流家庭」が深く傷つけられている、というたったこれだけのことだ。

www.youtube.com

 難しい理論は、何もなくて、民主主義を採用している限り、資本主義と確実に対立するのはここだと思う。資本主義の勝者が生み出され、その資本が拡大することを止められない場合、民主的な主権者である「中流」階級が、資本蓄積が大きくなり始めると怒りだす。この繰り返しのパターンは止められない。善良な人々の心の中の正義感によって、民主主義そのものが破壊される。

 資本の偏りは、それだけで、不公平感覚を生んでしまう。それによって実際に損なわれているものがわずかでも、今の世界の状況が示すように嫉妬は資本家の予想を超えて爆発する。必ず、何かが正しくないという意識によって、独裁的で資本家を超える政治権力が万人に望まれて出現し、政権を掌握し、軍事力を他国へ誇示し、経済をブロック化し、そして貿易が停止される。貿易の停止によって起きる経済後退が、さらなる怒りを生み、戦争に繋がるだろう。

 そのためこのシステムは、民主主義か資本主義のどちらかか、両方で訂正が必要だ。

 民主主義の訂正は、政治権力に対する内部統制の仕組みを構築することによって多少は変えられるかもしれない。

 資本主義については、資本蓄積の結果を否定して訂正する仕組みが必要だ。それは税であり、中流階級への無制限の公的給付それこそベーシックインカムのようなものかもしれない。そしてもう一つの解決策が、バランスシートの状態そのものを政策目標にすることだ。年度毎の経済成長率や歳入/歳出を目標にするから、正しい結果が得られない。根本的には、人びとの価値観を規定しているスコアボードそのものを望ましい状態に持っていくことが良いことだと思う。それはつまりゲームのレベルデザインだ。

 ゲーム世界の満足感を損なわないことは、ゲーム運営者の当然の責務のはず。民主主義は、運営者自身にその世界をゆだねているはずだから、ゲームの仕組みを変えることも発案して実行して良いのでは。

 まだ完成してないけど、以下に前に書いたことをもう一度はっておいて、さらに考える。

 予測としては、デフレの発生確率の方が上がってきているのではないか、ということなのかも。もう少し考えてみないといけないかもしれないけど。信じられないことだけど、さらにもう一段階深いデフレに見舞われる可能性もないではない・・・。

 

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住宅ローンを組むと金利上昇時に儲かるかどうかを考えた

住宅ローンを低金利下で組むと、金利上昇がもし起きれば投資効果が高いという説があるので、それを検証してみた。ゴールデンウイークだし、子どもは熱が出ているし、久しぶりにエクセルと向き合ってみたくなったので・・・。

結論から言うと、金利が大幅に上昇すると予想するのであれば今すぐにローンを組んだ方が良いと思う。もはや物件の価格はあまり問題ではない。ただ、物件が大幅に値下がりするリスクがあると感じるのであれば可能な限り値切った方が良いとは思う。

3150万円を借りて35年の固定金利で返済した場合を、元利均等払いで検証した。金利が1%上がるごとに総支払額が約700万円くらい増えていく。もし、1.35%で固定ローンだったら3954万円の支払額が、2%上昇した3.35%になっただけで、5353万円に跳ね上がる。もう多少の物件の値下がりを待つとか問題ではなくなる水準だ・・・。

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これを、利息だけの金額のグラフにしてみるとこうなる。これは元利均等払いなので、差が元金均等払いよりも大きくなることに注意が必要だが、これだけの差になる・・・。また注目なのが、1.35%と0.8%でもかなりの差額になることだ。

1.35%の場合の金利総額は、804万円だけど、0.8%だと462万円。物件価格が3000万円台であれば、この差額だけで価格が10%下がったのと同じことになる。もし物件価格を下げるのであれば利息を0.5%ポイントさげることに血道をあげた方が効果的かもしれない。あるいは、両方とも下げるかだ。

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さらに、月当たりの支払い額も比較する。月当たりにすると、現在賃貸に住んでいる場合は、家賃との比較がしやすくなるのではないだろうか。ここから現在の家賃の支払い総額とローンの総額との差額が手元に残り、さらに住宅ローン控除で所得税が減る分も想定で足し算して、どれくらいの資産が10年後や20年後に残るかを計算してみると良いのではないだろうか。

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ただし、購入する不動産の価値は減価するものとして計算しておいた方が良い。金利上昇局面では、必ず不動産価格は下落する。大幅な利回りの低下が見込まれるのであれば、今乗っているプレミアムの大半は剥落するだろう。そうしたバブル崩壊的な値崩れもあると思うので、それが起きても今の家賃との差額や生活面でのメリットや税金を減らせることで利益がプラスになると思えるのであれば良いのではと思った。

元金均等払いで支払った方が支払い利息は低くなるので、その検証は別途しようと思うけど、大体の感じがつかめれば良いので、まずは極端に差が出やすい元利均等払いでためしてみた。

エクセルで計算したい人は以下のサイトの方法を使うと元利均等も元金均等も両方試すことができる。

元金均等返済の金利分計算方法−ISPMT関数:Excel(エクセル)の関数・数式の使い方-財務

この住宅を買うバクチで勝つかどうかは、インフレ率の跳ね上がりがどこでどれくらい来ると考えるかによって結構違うはず。インフレ率が上がると、どこかで長期金利もそれなりに上げないといけなくなるので、不動産価格はインフレ率につれて上がるけど金利も上がるという局面があると思う。ただ収益性は悪くなるので不動産自体の投資価値は下がる。ということの綱引きの結果として、家賃も上昇し始める悪性インフレに発展すると、かなりこのバクチは価値が出てくる。

インフレ率の予測に使えるなと思うのは、個別の価格の推移だと思う。

不動産であれば、こういうのがあるけど。

神奈川県の土地価格相場・地価公示価格ランキング・坪単価

特に、注目しているのは引っ越し費用の価格推移。サカイ引越センターが決算説明会資料で、引っ越しの平均単価を出しているのでこれはかなり良い指標だなと思っています。最新のデータだと、平均単価:106,631円(前年同期⽐+10.7%)になっていて、局所的だけどインフレ率10.7%になっている。

http://www.hikkoshi-sakai.co.jp/ir/pdf/meeting/20171115.pdf

運輸業のインフレが全体に及ぼす影響はそんなに大きくないと思うけど、これがどういう経路をたどって全体に波及しそうかは以下の表を見ると何となくわかりそうな気がする。

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 データが示す日本の賃金動向、消費や物価への影響に注目 - Bloomberg

 非製造業で、かつ、その産業なしでは成立しないクリティカルパスっぽい仕事についてはもう人件費の上昇を価格に転嫁しても問題なくなってきている感じが次第に出てきそう。この傾向が、製造業にも波及しはじめるとかなりヤバイ感じのインフレ傾向になると思う。

賃金上昇は最初は一律ではなくてまばらに来ると思うので、全体としてのインフレ率だけ見ているとまだまだインフレは遠いような印象が終始していると思う。特に代替品があったりパスが複線化している産業ではそれが起きないので、気づくのが遅れる可能性があると思う。

導火線に火がついてしまうと、積みあがっている銀行預金中の固定で縛られている定期預金部分がすさまじい速度で毀損し始めるので、そのお金が途中解約されて移動し始めると思う。これが結構地味にヤバイ感じがしている。その行き先に偏りがあると、異常な価格が現出するので、シグナルが強いものとして認識されて、それきっかけでインフレ認識が伝播し始めると思う・・・。