投資はギャンブルじゃないというのは嘘なんじゃないか

なぜ人は投資しなければいけないのか。別に投資する必要もないのです。働ければそれで良いのでは? でも、投資をした方がいい時があると思うのです。その理由を何とか説明したい。

まずよく比べられるギャンブルと投資について考えてみます。よく、投資入門本には投資とギャンブルの違いを書いてあります。ギャンブルでは胴元の取り分があって、株式投資はそれがなくて、しかも企業の収益が成長する、お得じゃないか、そこに違いがあると言います。だけど、それは違うんじゃないか。

投資がギャンブルより上にある何かとは、どうも思えない。ギャンブルの場合、例えばサイコロの目を予測することは人間には難しいことです。非常に高速で計算ができて、あらかじめ投げられる手の動きを知っていて、その角度から重力や空気の影響と接地面の反発力を推測し出目を予測できる素晴らしい知能にはカンタン、でも人間には難しい。サイコロではなくて投資を選びたいのであれば、企業の収益はサイコロよりも簡単に予測ができると考えているはずです。あるいは、一つの企業では難しいが、「企業のまとまり」であれば簡単であると、考えているのです。「企業のまとまり」が生み出す収益はサイコロよりは確実なものなのだというのです。

これは、納得ができる話なんでしょうか。収益が増えるかどうかわかりようがないのです。つまりは投資の根拠は主観です。だから、本当のこともあるし、そうでない時もある、というのが正解ではないでしょうか。終わってみないと正解だったかもわかりません。いくらウォーレン・バフェットジョージ・ソロスが勝っているからといって、彼らが必勝の方程式を知っているわけではありません。彼らなりの「思い込み」が外れていなかったというだけのことです。

投資をしたら儲かるからやった方が良い、とか、投資をしたら老後の資産が築けるからやった方が良いというのは、正解ではないし、近いようですが投資で得られる収益の「可能性が高い」という言い方も正しくありません。未来のことは全くわからないけど、色々なことを合せて考えてみると、どうも多くの人が考えていることとは違うことが起きそうだ、という「思い込み」が強いときにだけ投資をした方がいいのです。だから投資をした方がいい理由は、むしろないのです。ただひたすら安いものがないか探して、それを仕入いれていつか高く売れると信じるという行動をとるかどうか、であって、これは見ようによっては完全にギャンブルなのではないかというのが、まずは今思う結論です。

それでも、完全にギャンブルに見える投資をサイコロよりも有利にすると思う条件とはなんでしょうか。仮に主観であっても、勝てると信じられる理論があるわけです。企業は賭場と違って自社に有利な環境で営業していることがあることです。法的に保護されたり一方的に有利な状況を享受できることがあるのです。その場合サイコロは超スロースピードで動いています。出目はほぼ見えています。(という熱狂が投資家にある。)また、人間は他人に影響を受けて行動するので、その行動が予測しやすくなる時がある、ということです。ある消費行動が確立すると、毎年同じ消費行動を人は取ってしまうものです。同じブランドから購入する金額は毎年少しずつ増えていくけれど、他から購入することはだんだん減っていく、ということが起きます。(という狂喜がチャールズ・マンガーを捕らえる。)以上のような状況は予測ができないものの、サイコロがゆっくり動き始めている状況だと投資家は考えがちです。

予告的に、投資の条件をサイコロよりも簡単にする要素を思いつくままにリストにすると以下のようなものです。

  1. 人間は習慣化した行動を突然止められないし、今年と来年は全く同じ年であるかのように予測する
  2. 人間の習慣を利用している企業は、毎年収益を増やすことができる
  3. 周辺環境を味方につけている企業とその他の企業では評価の仕方は全然違うものにすべき
  4. それでも企業が思ったようには人間をコントロールできないので、突然売れなくなることもある
  5. 人口動態はほぼ確定していて変えられない
  6. 人口動態が人々の行動に与える影響は間違って解釈されていることが多い
  7. 技術革新も過大に評価されたり過小に評価されたりする
  8. 間違った解釈/評価と予測に基づいた間違った値付が横行しやすい
  9. 人間は長期的には必ず死ぬので、その人間の目から見た評価と長い寿命を持つ企業に対する合理的な評価は常に乖離するかもしれない

何か、サイコロをゆっくりにさせるもの(しかも他の人は普通の速度の予測不可能なサイコロにすぎないと思うもの)を延々と探し続けること、これが投資をしたいと思う人の基本的な動作になります。そして、そのサイコロがゆっくりしていると思っているのは投資をする人の主観でしかないのです。それでも、私は投資するべきだと考えているのです。

ドトール日レスHD 株主総会

昨年より出席者も減って、なごやかな感じに。

 他業種からのコーヒー飲料への進出などに対する対応については、どうかという質問に対して、「ドトールは創業当時は、価格が低いことを売りにしていたが、今や特別安いわけでもない。現状では、安いものから高いものまで、エコノミークラスからファーストクラスまで幅広いラインナップで対応することを考えている。」という回答。それで思ったのは、ドトールや日レスの狙いどころは、「気取らない普通のお店」であることなのかなあ、と思ったりした。そういう特殊性とか参入障壁は、個人のお店でも単なるチェーン店でも、お洒落を演出するスタバとも違うので、良いのではないかなと思ったりした。

 後は、ドトールバリューカードの黒が品切れしていた、とかのクレームと、チェーン店の代替わりが進んでいて、収益もジリジリと下がっているので、仕入れの合理化とか出展費用の削減とか進めないといけないとのことだった。

 新任の取締役の女性の方が、女性でも働きやすい職場をつくるということをおっしゃってました。

医療・介護職による求人増加 日本財政が破たんする前に緊縮財政にするべきかどうかという話

このところの失業率の低下は、ほとんど医療・介護業界での求人増加であろう、という記事。
20年ぶりの低失業率はアベノミクスの成果?

だから、あんまり賃金上昇に繋がらないようだという指摘。
今までは確かにこの通りのことが発生しているけど、じゃあ、このまま賃金が上昇しないかどうかについては、何とも言いようがなくて、このまま順調に医療・介護職が増加することで、他産業の賃金が上昇する可能性もないわけではないと思う。

このブログの立場では財政再建は緊縮財政でしかなし遂げられないという主張だけど、ぼくが思うのはイギリスと日本では金融収支に全然違いがあり過ぎるんじゃないか・・・というところが気になる。
つまり、「稼ぐ」方法がないので、原油バブル崩壊の経緯と今後の予測についての後半で指摘されているみたいな、「量的緩和と商品価格のバブルで稼いで、アメリカとイギリスのバランスシートが改善する」、というルートが使えない。そして、このルートを使って赤字を解消するのは世界経済的にも望ましくない・・・。(バブルが発生したときに売り抜けた人だけが利益を得る構造になっているということと、利益を得る人がアメリカやイギリスに多そうというのは、すごく同意できる。)

だとすると、どうしたらいいのか、というのが良くわからない。

  • 日本の人口減少が賃金上昇を通じたインフレを引き起こすか、それともデフレ加速させるのか
  • 日本の人口減少が一人当たり資本を激増させると何が起きるのか
  • インフレ/デフレの進行と国債残額の増加スピードと、日銀の引受速度と、破綻までのスケジュールがどうなるか

うーん、だからあれかな、価格変動のリスクがあるものをヘッジするようにすればいいのかな?
今だと国債価格をヘッジする取引を大量に組むような考え方が何かあるのかな。

個人の優位性を労働市場で築く

 個人の優位性を労働市場で築くために必要な要素として、何が求められるか。

  • 日本の個人向けマーケティングは比較優位を失う
  • グローバルな個人向けマーケティングは優位性を持つ
  • エンジニアリングの優位性は少しだけある
  • 金融資本の過剰さをグローバルにバランスするための数学+ファイナンスは国内向けに優位性がある
  • 事業開発は国内+国外のグローバル型になる
  • 専門職はあんまり変わらない
  • 起業家は本能的に上記を組織に反映させるので、対応が速いかも
  • 農業はインフレ期に優位性が出てくる

みたいな感じだろうか・・・。

アマゾンプライムビデオで見られるアメリカバカコメディ

うっかりアマゾンプライムに2年分加入していたことに最近気づいた。
とても、腹が立つのでプライムビデオで見られる面白いバカコメディをお薦めしたい。
元を取ろうと思ってプライム見続けてしてしまう自分がいや。

俺たちニュースキャスター」の爆笑シーンは、ウィル・フェレルクラリネット(フルートだっけ?)シーンがともかく必見。そのシーンは忘れられないので、くだらなくても我慢して見てください。アダム・マッケイの代表作の一つなので、興味がある人は見た方がいいかも。特に内容はありません。続編もあるけど、こちらの方が可笑しい。「俺たち・・・」シリーズ的な邦題の映画がいくつかあるけど、ウィル・フェレルが出ているだけで別にそれぞれの関連性はなかったりします。たぶん、ビデオ屋の棚で探しやすくなるから、そうしているんでしょうね。

「21ジャンプストリート」は、80年代のドラマがベースになっている。えらくクオリティが高く仕上がっている。何も考える必要がない上質なコメディ。それだけでなく、ちゃんとしたバディものでもある。見ごたえがあるのでぜひ。全米で大ヒットだけど日本では全く知られていません。

「タラデガ・ナイト −オーバルの狼−」ウィル・フェレルが出ているレーサーもの。驕り高ぶったフェレルが、フランス人レーサーにプライドをズタズタにされて再生するまでを描いている。何かレースシーンがちゃんと撮れているので、それがすごい。後はともかくくだらないので、何も考える必要がないので、そういう気分のときには大変おすすめです。

他にも意外な掘り出し物があったら報告します。

Jトラストのグループリース出資の計算

Jトラストが「約26億円相当の投資事業による営業収益を実現して」いるとしている下記のお知らせの時価は、タイの株式市場の時価らしい。https://www.bloomberg.co.jp/quote/GL-R:TB

当社子会社によるタイ王国上場会社Group Lease PCLの転換社債引受のお知らせ

このお知らせによると、今後Jトラストは143億円相当で、Group Lease PCLの全額転換後の持株比率(予定):13.82%になる転換社債を購入します。この143億円と、現在のGroup Lease PCLの純資産237.29億円を足し算すると、377.29億円になります。377.29億円に対する13.82%は、52.14億円です。143億円の投資で、52.14億円の純資産の株を買い取るため、PBR(純資産倍率)は、2.68倍になります。

JトラストのGroup Lease PCLに対する出資比率は、現在は6.43%です。Group Lease PCLの純資産237.29億円に対して、6.43%は、15.25億円です。

Jトラストの15.25億円の投資額が純資産に対して1倍であったと仮定すると

 ・Jトラスト Group Lease PCL 現投資額(推計) 15.25億円
 ・Jトラスト Group Lease PCL 現時価(推計)  15.25億円×2.68倍=40.96億円
 ・Jトラスト Group Lease PCL 実現利益(推計) 40.96億円-15.25億円=25.7億円

となります。

たぶん、今の時価は結構高めに来てますね、タイでは。それで、仮にだけど、これを非上場とかにしたら、どうなるんだろう。評価額を、追加出資した時のバリエーションで決めるんだろうか。