孤独感と帰属意識の関係を調べている研究があるのかを調べたい。
政策として、コミュニティの活性化があげられることが多いけど、そもそも、それがどのように人の感じ方に影響を与えているのかがわかっていないと企画の前段が整理されていない状態で始めることになる。
ソーシャル要素を持っているサービスとか事業を検討する時に、ベースとなるのは、この感覚なんじゃないかと、突然思った。欲求がどこにあるのかを正確に見定めた上でどのようにして、この欠如を埋めていくのか。
研究を斜め読みしていると多分、幸福度に影響を与える度合いが強いのは、「強い絆」の方なのではないかという感じがする。弱い絆が意外に大事だ、という研究は、「きっかけ」としては大事という話であって、日常で積分される心地よさとかポジティブな感情の連鎖は、強い絆からしか得られない。強い絆が破綻したときに、別の強い絆に移るときに弱い絆が重要なのであって、その弱い絆は「経路」として重要なだけである。というのが正しい理解だと思う。
ベースとしての家族・友人・組織みたいなものが強いうえで、時々弱い絆としての地域とか遠い縁が良い別の強い絆を呼び寄せるという構造になっているのではないか。
なので、地域に投資する場合に、その人の緊急事態に対応するという理解が前提にあった方が良いのではないか。(それほど緊急事態は頻発しないので、その作り方は、少し特殊になるのではないか。)
つまり、弱い絆は、強い絆の代替にはなり得ず、別の強い絆への移行を助ける、非常事態ツールだ、というのが正しい理解なのではないか。
グラノヴェッターがネットワーク分析の過程で見い出した知見.身近でなく,やや疎遠,もしくは日頃はそれほどの交流のない人々との絆のことを指す.
そのような人々は日頃の付き合いの弱さという点で弱い絆と呼ばれる.しかし,自分にとって身近にない存在であるが故に,身近な絆の範囲にはない,より異質な情報を持った存在である.グラノヴェッターのアメリカでの研究では,転職の際に「弱い絆」からの情報で転職を行った方がより転職への満足度が高い,などの結果が見られている.自分にとって身近にない存在であるが故に,身近な絆の範囲にはない,これまでに得られなかった異質で新しい情報が得られるため,と説明されている.
しかし日本ではこの現象は必ずしも見られない,とする研究もあるらしい.
そもそもの研究でも、弱い絆が転職に有利だ、と言っているだけで、弱い絆が何かの代わりになるとは言ってないっぽい。そして、日本ではこの現象ないかもしれないらしい・・・。
帰属意識が、幸福度に影響を与えるかをコミュニティ別に調べた研究。
これもヘーゲルの人間的疎外をベースにしている研究。
・「共同体からの疎外が主観的幸福感に及ぼす影響に関する研究」
孤独感の尺度の変遷についての資料、孤独感を捉える方法として「孤独感のみ」と考える一次元と、「いろんな要素の複合」と考える多次元がある。
個人の孤独感にとって効果的なのは、たぶん「複数のコミュニティに所属する」ことよりも、多分、強い絆を弱い絆を通じて結びなおすことなのではないだろうか。
もしくは、自身の強い絆を見直して、より良い形に結びなおすことなのではないだろうか。結局のところ、どこかでは強い絆に戻らなければならず、そのための手段を提供するものの一つが弱い絆なのではないか。だから、複数のコミュニティに所属するということが直接の意味を持つわけではない、たぶん。