「ル・ディーヴォ ‐魔王と呼ばれた男」を見るまで、イタリアのジュリオ・アンドレオッティ首相のことを知らなかった。
ただ、映画を見ていても、この控えめな男の権力の源泉がどこにあるのか掴めない。
なぜ、訴追されても決定的に有罪とならないのか。晩年まで終身上院議員として生き延びることができたのはなぜなのか。
映画の中で表現されているアンドレオッティの個人的な秘密情報の収集室の書類は、どうやって集められたものなのか。数々の疑問が解かれないままだ・・・。
あまりにも気になるので、検索して調べるしかない。
アンドレオッティが、魔王なのか政治家なのか、と問われてコッシーガ(元)大統領はこう応えている。
「ヴァティカンの偉大な政治家だ。ピオ12世からジョヴァンニ・パオロ2世にいたるまで、つねに、教皇庁の国務長官だよ。彼の政治の本文は、宗教的なものなんだ。」
http://senese.cocolog-nifty.com/koukishin/2009/01/post-166d.html
ちなみに、上記の記事では、キリスト教民主党の創設者アルチーデ・デ・ガスペリアルチーデ・デ・ガスペリ - Wikipediaが、なぜアンドレオッティを補佐役に選んだか、ということにも触れている。
「アンドレオッティはフロジノーネ出身のローマ人で、教皇派のカトリックだ。デ・ガスペリの中欧的な精神とアンドレオッティの実践的な精神の組み合わせが良いのだ。」
おそらく、最大の謎は教皇ヨハネ・パウロ1世の暗殺疑惑とバチカン銀行の関係性にありそう。この暗殺に関与していたかどうかと、彼が司祭の友人が多くいた、ということが、関係しているかどうかなのだと思うけど。つまり権力の源泉は「宗教的」なものであり、その大きな力は「バチカン銀行」の疑惑をコントロールしたことから来ているのかもしれない。
ヨハネ・パウロ1世 (ローマ教皇) - Wikipedia
彼の言葉は、バチカンからのものであると認識され、コミュニケータとしてイタリア政界と、バチカンを結び付け続けた。
イタリア通信 イタリア第一共和政の代弁者の死
あまり知られていないけれども、真の権力者とは、かくあったのだ、と言われる人の一人なのではないかと思う。
バチカン銀行は、現在は透明化に向けて自助努力に努めているところらしく バチカン銀行がHP 透明性高め信頼回復狙う :日本経済新聞 当期利益も100億円程度というから、今は、そんなに巨大な悪が潜んでいるわけでもなさそうだけど・・・。