デフレ・インフレとカードゲームとかボードゲーム

天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す(上) 偶然を支配した男のギャンブルと投資の戦略を読んでいて、思ったこと。

 ・配られるカードが少なくなるとプレイヤーとディーラーでオッズが変わる。

 これは、ある経済の中で、配分された資源がどの種類のカードに振り分けらけてるかで、プレイヤーによって勝率が変わるということに近いかもしれない。

 資本家は、すでに何かの生産施設に投資しているので、稼働率を下げる方向で意思決定がしづらい、カードは配られてしまっているので、できるとしたら新規投資をしないことだけで、ゲームから降りるということはあまりない。(個人としてはあるかもしれないけど、普通は会社はだれかに売り渡されて生産施設そのものをダイナミックに廃棄したりはしない。)

 なんで、状況に合わせてカードを切りなおしたりしないかというと、だいたいは、労働者は法律で守られているから。だから、首にしたり会社を解散したりするのは、結構抵抗されるので、そういう努力をする人は普通はいないということ。これが、ずっと続くとゲームの終盤ではどうなるか、ということ。

 もう一つは別のゲームがあることを発見した。

 ・コンテナ

[デフレ]と[インフレ]を体験できる
デフレを経験できるゲームは貴重、だいたいのゲームがインフレするように作られている
初回プレイはだいたいデフレになる
商品を作りすぎる
安売り合戦が始まる

https://scrapbox.io/nishio/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E3%83%BC

ゲームの内容は。

プレイヤーは、倉庫や機械、商品の購入、コンテナ船の移動を行い、港湾事業を行います。
コンテナ船の移動は、外国、公海、他のプレイヤーの港で、コンテナが高く入札されれば、たくさんのお金を稼ぐ事ができます。

しかし、生産したコンテナの運搬は自身で行うことが出来ず、他のプレイヤーに買い付けてもらわねば市場に流通させることが出来ません。
更に、外のプレイヤーの倉庫から買い付けたコンテナも、自身の港に並べるのみで、そこからの流通には、更に他のプレイヤーに買い付けてもらわなければなりません。

こうして港から買い付けられたコンテナは、コンテナ船に積み込まれ、中央の島でオークションにかけられます。一斉入札の後、購入されたコンテナはプレイヤーの所有物となり、ゲーム終了時に資産として計算されます。

最終的に、生産したコンテナを販売して得た利益、港でコンテナを販売して得た利益、オークションでコンテナを販売した得た利益、落札したコンテナの価値を合計し、ゲーム終了時に最も多くのお金を持っているプレイヤーの勝利です。

https://bodoge.hoobby.net/games/container  

プレイの流れはこちら

レビューがこれです。

5種の商品を自分の点数が高くなるように買い取る。というゲーム。

商品は自ら生産することもできますが、自生産品は直接自分の商品にはできず市場に回してから手に入れることになります。

手に入れるときはオークションになりますが、この時競り落とした金額と同じ金額が売手にわたりますので、市場の資金量は徐々に増えていきます。

安い金額でいつまでも商品を回してるとインフレが起きないのでいつまでもみんな貧乏です。

インフレとは、何かをモデルで知るにはよいゲームかもしれません。

https://bodoge.hoobby.net/games/container/reviews/8885

コンテナでは、最初にプレイヤーに目標カードが渡されるので五種類あるコンテナそれぞれに需要がある。つまり、それぞれのプレイヤーの好みが違う。これは、生産される商品に制約を持たせたゲーム世界で、これでも、プレイヤーの動きによってデフレになったりインフレになったりする。

ここまで考えて、前に考えていたバランスシートを国富ベースで組み替えるをゲームにしたらいいのかもなと思い始める。

「簿記と会計の再発明」 のための基礎を考える(2) ヘリコプターマネーを一人1000万円配るレベルでやってみると

これを書いたときは、一国の経済にそのまま負荷をかけたけど、これをいくつかの国というプレイヤーにして、それぞれがやり取りできるようにしたらどうだろうか。

フローと、ストックがどこで転換できるかだけど・・・。もしかしたら「コンテナ」のように競りという概念で解決できるのかな。

フローの貿易赤字があるのにアメリカが破綻しないのは、たぶん、米ドルのインフレが米ドル建債権の価値を適切に減らしているから、ストックで見て純資産がインフレ効果でプラスになっているからなんじゃないかという仮説があるけど、そんなこと問題ではないくらいに貿易赤字の額が大きいかもしれず、これは検証の余地がある。

あと、良いデフレと悪いデフレがーみたいな議論があったりするけど、デフレが購買力に与える影響は、流動資産と固定資産、そして負債と資本の比率によって決まってくるから、ストックに対する影響からフローに戻ってくる部分も見ないとよくわからないはず。個人消費は確かに影響はあるかもだけど、全体としてストックとしてどう変化するかも見ないと何が起きているのか見えないのではないだろうか・・・。

例えばだけど、4-5国ぐらいあって、プレイヤーはそれぞれの国の中央政府で、借金をできる。効果的に借金をするためには通貨の価値を下げていく必要があるので、そこにだけフォーカスした取引をしていくというゲームはどうか。

  • プレイヤー数 4-5
  • 各国通貨
  • 各国通貨建債権(か、自国ではない通貨建でも債権発行できる?)
  • 生産資源
  • 利息とインフレ率の計算(利息を払ってもインフレの効果が高ければ元本は減るかどうかを計算しておいて、なんかテーブルみたいの作る?)

とかを使ってやり取りする仕組みなのか。生産要素とかなしでもいけるようにならないだろうか。

道具立てをどう使うのかがよくわからない。