デイブ・エガース「ザ・サークル」は優れたソーシャルホラー小説 ソーシャル嫌いになったら是非お薦めしたい

 ソーシャル疲れはもう当たり前で、もはやソーシャル嫌悪、ソーシャル断ちという気分が広がっているところもあるんではないかと思わせるソーシャルメディアの今日この頃。流行りものが廃れるのは世の常だけど、そろそろデジタル巨大企業群にも黄昏が近付いているんじゃないかと思わせる小説が、「ザ・サークル」。

 詳しい書評は、デジタルハリウッド大学紀要vol2の最終ページにも橋本大也さんにより、掲載されています。

 ソーシャルメディアのために、自分の生活を犠牲にし、ソーシャルメディア内での評価がすべてになっていく世界に次第にのめりこむ主人公・・・。いつでもソーシャルランキングがすべてで、いついかなる時も秘密のない透明性の世界、談合反対!全部投票で決めよう! そんな、ソーシャルディストピア世界は、今の日本にも当てはまり過ぎていて怖い・・・。ライン既読無視とか、メールの返事がないことを気に病みすぎる人とか、インスタグラムのために写真映えするお店を選んでしまうとか、オリンピックエンブレム問題でバッシングがWebを通じて広がりすぎるとか、エンブレムは投票で決めないとね、とか現実がディストピアで戦慄します。

 何か最近、ソーシャルとかWebとかいやだなあと思う人は、読んでみると怖すぎて最後まで目が離せなくなること請け合い。現代でこそ体感できるソーシャルホラーだと思う。未来の社会ではソーシャルそんなに重視してないと良いなと切に願いました。繋がり過ぎ反対!!