ベンチャー・新規事業はなぜ失敗するのか 講義まとめ

 講義のまとめです。

 なぜ、ベンチャー・新規事業は必ずといっていいほど失敗するのか。
 まずは、うまくいっている事例から。

 うまくいっているところの特徴
  ・ブラブラと歩き回る時間が事前にある(事業機会の探索⇒本当にそれは儲かるのか?)
  ・構想を練る時間がある(計画ではなく、アイデア出し)
  ・案出しに対して議論している
  ・実際に売れるかどうか、プロトタイプを見てもらって40〜50人くらいの見込み客を作っている
  ・納得感が出てきたら事業計画を本格的に作り始めている
 そうすると失敗の遭遇率は下がっていく。だいたいのベンチャーがこの基本的なステップを踏んでいない。

 「買いますか?欲しいですか?」という基本的な質問がとても大切である。

 そのうえで、ビジネスモデルキャンバスに埋めていくプロセスが必要。

 半年間くらい、ずーっとエンジニア4〜5人で試し続けるなどの作りこみが大切である。
 作りこみをして、他部署や周りの人から「絶対欲しい、買う」と言われなければならない。
 また、Webサービス系の場合、コミニティのコアから育成していく必要があるので途方もない忍耐力が必要になる。
 休日もずっと、問い合わせに答え続けるなどの努力が要される。
 「愛」をコミニティに対して注ぐことができるか、がキーポイント。
 
 とかく、機能の議論に終始しがちであるが、それではうまくいかない。
 大切なのは、ユーザーがそこでどのような体験をし、どう行動するのかストーリーを延々と議論することである。
 
 うまくいかないとき、どういうことが起きているか。
 ともかく、売れない。売れない原因を探し始める。
 開発者側は、営業が馬鹿であると言いつのる。そして、機能や性能をさらに向上しようとやっきになる。
 営業側は、開発者が馬鹿であると言いつのる。そして、顧客からの聞き取り結果をどんどん開発側に押しつける。
 結果、売れない商品がどんどん拡張されて、さらに売れない商品になっていく。

 この場合、そもそもの商品のバリューを見直すということができていない。
 一度できてしまった慣性の法則にドンドン流されていく。バリューを見直すのは商品がダメだということではない。
 「お客さんにとって」大切な価値は何か、ということを考えなおすことである。
 その価値の根幹と、「なぜ買うのか」「いくらで買うのか」を見直していくことが日本のベンチャーは実は決定的にできていなかった。
 よくある、新規事業やベンチャーは、実は「商品開発」しかしていない。
 「顧客開発」をしていなかった。誰が買うのか、という問いかけが大切である。
 
 顧客は管理不能である。つまり「売上は管理不能」である。
 管理可能なのは、費用だけである。

 ・まず事業機会を考える
 ・事業仮説をつくり、顧客候補を観察。50人くらいに聞いてみる。
 ・アリーアダプター、コアなオタクに買ってもらい学習をしていく。彼らをしっかりとサポートし続ける。
 ・学習結果に基づいて販売モデルをつくる
 ・最後に組織をつくる


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