日本政府は、知らない間に債務超過を脱していた。2013年度株価上昇の恩恵か。日本の政府純資産の推移 2013年度

 果たして日本政府は財政破綻するのか。
 気になるその実態をデータから検証する地味な取り組み、内閣府の2013年度国民経済計算(2005年基準・93SNA)のデータから政府部門の純資産推移を確認するシリーズ最新版です。

 前回の記事「日本の政府純資産の推移 2012年度時点で債務超過  調査経過(2)

 何故なのか、あまりそうした記事を見ないのですが、単純に日本政府は債務超過状態でした。
 それが、2013年度時点で見事に僅かながら純資産がプラスに転じました!!!おめでとう、日本!!
 2012年度に−41兆円の債務超過に陥った日本政府は、2013年度に3,710億円の純資産プラスに転じた。
 企業で言ったら毎年赤字で銀行からも見放されそうになって潰れそうだったところが、社長が変わって奇跡の生還を果たした初年度的な感じですね。

 ちなみに、国民経済計算における一般政府とは、下記を指すもののよう。だから本当は中央政府、地方政府、社会保障基金中のどこで増えたのか、見ないとよくわからないかもしれない。社会保障基金側で株式依存度を高めているので、市場の影響が上がっても下がっても今後かなり出てくるだろう。
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kakuhou/files/h17/pdf/bunrui.pdf

  

 要因は株高! 33兆円を株式で増加させ、(下記表中の金融資産(4)株式・出資金)、その他の金融資産(金融資産(5)その他の金融資産)で30.8兆円を増加させた。(その他の金融資産って何だろう?)非金融資産では、19兆円の生産資産が増加した。また、負債は37.8兆円増加した。
 2014年度がどうだったのかが引き続き気になるが、株式などの変動要因が大きかったことを見ると、純資産は2013年度ほどには増加していないかもしれない。2015年度は、日本郵政3社上場により7〜8兆円程度の売却収入が見込める。帳簿上の価格によっては純資産増加にも寄与するだろう。
 
 下記が変動要因のグラフです。

 

 ↑負債側は増加をマイナスとして表現しなおしている。

※参照データ

 ストック編 制度部門別勘定 
 一般政府(Excel形式:90KB)