効用関数についての文献情報

個人の効用関数についての参考文献のメモ。
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 「ハロルド・ヴォーゲルのエンタテインメント・ビジネス―その産業構造と経済・金融・マーケティング」 p.494 第11章 ギャンブルと賭け事

 聖ペテルスブルグの逆説、硬貨投げゲームの期待値は無限大になるのに、誰も底なしに賭けようとしないのはなぜか。
 数学者のダニエル・ベルヌーリ(Daniel Bernoulli)とガブリエル・クラマー(Gabriel Cramer)は、最大期待収益の代わりに期待効用の概念を使うことでこの謎を解いた。貨幣の限界効用が減少する(賞金の貨幣価値が増加するにつれて追加的単位から得られる追加的効用は減少する)ことを認識することで、彼らはこの逆説を説明できた。・・・

 ・・・その後、ゲーム理論についての1940年代の古典的研究のなかで、フォン・ノイマンとモーゲンスターン(von Neuman and Morgenstern 1944)が、期待効用の仮説がいかに不確実性のもとでの最適な意思決定を導くかについて示している。
 フリードマンとサヴェジ(Friedman and Savage 1948)はそこで期待効用の概念を個人によってなされる選択に適用することを論じた重要な研究を出版した。なぜ多くの人々が保険を購入する(リスクを避けるために掛け金を払う)一方でギャンブルをする(リスクを引き受ける)のかという疑問を呈したのだ。これに答えるために、2人はある期間には富の限界効用は増加するが、その意味するところは個人の効用関数には凹面(始点から外向きに曲がったように図示されているリスク回避曲線)と凸面(リスク密接)の両方がともに含まれていることを指摘している。またヤーリ(Yaari 1965)が示唆したように、プレイヤーはゲームの客観的あるいは真の確率を、この確率に関する自分の主観的信念に代えてしまうことがよくある。

 アッシュとその共著者(Asch es al.1984)は、さらにある種の賭博行為の状況では、証券市場とカジノでの行動は類似しており、市場効率性の理論が適用できることを示唆している。