ファミコンウォーズの攻略法とたぶん会社の戦略

ファミコンウォーズが大好きだというブログを見つけて、あ、そうやって攻略するものだったんだ、と2十数年後に知る。とりあえず歩兵を大量に作って、ヘリコプターで輸送しまくって、戦車はそんなに重視せずに、制空権と爆撃重視して、後半も戦闘工兵を大量に投下して押しまくるらしい。大変参考になる話だなーと。あと、これは営業とか人材をどうとってどう投下するかという話とも関係がある話だなと思った。

ファミコンウォーズについてのページ 攻略法など
ラストドリーム・スタート画面

ファミコンウォーズについてのページ

ファミコンウォーズとは・・・超合理主義的マネーゲーム

計算ができる故に、ファミコンウォーズは確立された理論が要求される。
自分がまず真っ先に考えるのはナニワ金融道的”銭勘定”。
そう、ファミコンウォーズは超合理主義的マネーゲームと考える。

これに最も象徴的な存在は”歩兵”
歩兵の生産は1000$でできる。
1000$とはなんとたった1個の都市の毎ターンの収入
1000$と一緒。かなりのローコストユニットである。

序盤は1000$でも得しろ!

敵の歩兵が中立都市を占領しようとしたとする。
ここに自分の歩兵が攻撃できる位置にいたとする。
しかし自分の歩兵の場所は道路。
防御0%の道路と20%の都市同士で戦うと、ほぼ間違いなく自分が6人、敵は8人となり不利な結果は目に見えている。
普通なら攻撃を仕掛けないところだが、実は”絶対に”これは攻撃を仕掛けるべきである。
戦闘の結果は6人と8人となり、一見すると損害は倍。
しかし次のターン、敵の歩兵は2人の減少があったために、占領に必要な累計20人中、18人となり、そのターンでは占領できない。
占領できないということは、まだ収入1000$をもらえない。
1000$・・・つまり歩兵10人分の収入を敵は1ターン損した事になる。
もちろんあと2人分占領すれば次のターンには占領できるのでそのまた次のターンからは敵は1000$の収入が得られるが、”敵に1000$損させた”事が重要となる。

自分の歩兵の損失は4人。つまり400$
敵は2人の損失だから200$の損失
これに1ターン分の収入が減った分、敵の損失は1000$追加。
つまり自分の側は400$の損失で敵に1200$の損失を与えた事となる。

リーズナブルな戦闘マシーン・戦闘工兵

もっとシンプルな損得勘定として、戦闘能力に優れた戦闘工兵が分かりやすい。
戦闘工兵はほぼ戦車Bと同じ戦闘能力と示す。
しかし戦闘工兵の値段は2000$、戦車Bは3倍の6000$。
同じ平地で戦った場合、だいたい7台同士となるだろう。
そうなると自分の損害は200×3=600$、敵は600×3=1800$。その差は1200$であり、この格差が広がれば更に戦闘工兵が1ユニット生産できてしまう差となる。

給料分の働きを果たしたか

更に言うならばもっとも地上ユニットの中で高価な戦車A1600$に対し、戦闘工兵は同じ平地ならば自分は6人近くの損害を出すが、戦車Aに対しても2台の損害が与えられる。
戦車A2台の損害は1600$×2=3200$
つまりこの時点で2000$で生産された戦闘工兵は十分にその役目を果たした事になる。

また1000$の歩兵も2,3回に1回は戦車Aに1台の損害を与える。
そうすればたった1000$追加の歩兵で1600$の損害を与えた訳で”得”した事になる。


一見すると損害が大きく負けたように見えるが、このように”損して得とれ”こそがファミコンウォーズの原点である。


序盤は”捨て駒”のオンパレード

つまり、リーズナブルな歩兵や戦闘工兵はだいたいにおいて序盤は損得勘定の主役となり、とにかく被害など気にせずにどんどん特攻。
敵はたった1000$の歩兵を倒すために4200$の装甲車やら、6000$の戦車Bやらをつぎ込み、まったくもって不経済である。たった1000$で足止めをしているうちに毎ターン1000$の収入を得られる他の都市を敵より先に占領する。これが序盤の戦略の基本となる。

  例えばですけど、営業コストが低いのであれば、限界まで他社の営業先を獲得すれば、他社の獲得コストはそれよりも高いので、必ず支出が多くなって経営に直接的な打撃を与えることができる。会社には予算があるので、獲得コストが限界を超えるとそれ以上に費用を投下することはできないので、それを上回るスピードで低獲得コストな方法を繰り出せば相手の勢いを止めることができる。

 だから低コストなまま、攻撃力は低くても低確率で確実に削れる手法をとれるなら、それを大量に投下する、歩兵的なものをあらゆる営業エリアにばらまくのは、非常に良い方法で、優秀な営業マンを一人高給で抱えるより優れているということに。

 なぜなら、その一人を失ったときのダメージが計り知れないし、他社がその人材を獲得したらそのままこちらの攻撃ができない上に、防御もできなくなるから。

 そうなるぐらいなら、ヤクルトのおばちゃん的に、広く薄くカバーして全国に投下しまくった方が良い、ファミコンウォーズ的には。あと、たくさんの歩兵的な要員をばらまくと、ランダムな結果がたくさん得られるので、どこかで予想外の収穫が必ず得られる。それは試行回数の問題でもあったりするので、一人で回すよりはたくさんで回した方が良い結果が出やすい。人間一人で抱えられるランダム性は時間制約のせいで限界があるので、どんなに活動量がある営業マンでも乗り越えられないものがあるはず。

 だけど、歩兵だけだとダメなので制空権がとれるくらいの宣伝とか広告は確保しておくべきで、そのうえで歩兵を投下することになる。ちなみに、現代戦における地上戦の大切さは人間は人間に対する恐怖を感じないと戦うのを止めないという理由によるものらしい。空爆されても一切抵抗をやめないけど地上で同じ人間が攻めてくると一番恐怖を感じるものらしい。

 今の戦争も実際にそんな感じだから、シミュレーションとしてよくできているんだなーということと、そもそも全ユニットを相手戦力にあわせてわりと満遍なく生産していたので、低コストなユニットで押していくという発想がまるでなかった自分に驚いた・・・。ちゃんと計算すれば合理的な答えが導けるんですね。

 

 ファミコンウォーズのもとになったのが、「大戦略」で。

news.denfaminicogamer.jp

 その「大戦略」のおおもとを考えた「ウォーゲーム」の基礎は、ランダム性を持ち込んだことにあるというお話。低コストな歩兵でも戦えるのはランダム性があるから。

 あと、結局、勝利は敵が逃げていくことで獲得されるのだとすると、企業においても事情は同じで営業することをあきらめる、理由をつけて逃げていくように、相手先企業の社員の心理的な抵抗を生みだすような戦略を繰り出せば勝てるということになる。

news.denfaminicogamer.jp

 ゲームのマップについて。

news.denfaminicogamer.jp