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医療費による財政破綻の確率は低い(名目GDP成長率次第だけど)

 大和総研によれば、このままでいくと、社会保障費の伸びでGDP債務比率が、2040 年度末には 330%程度になると推測しているらしいけれども、実はざっくりとした前回記事のエクセルでも、「名目成長率1% 長期金利2%」推定で同等の結論が出る。
 社会保障と財政の長期見通し 一定の経済成長の下でも、現在の社会保障制度・財政は維持できず
 たぶんこの記事の論点は、社会保障費の増大ではないような気がする・・・。
 というか、「一定の経済成長の下では、ドーマー条件が成立しない」というサブタイトルの方が正しいのでは・・・。重箱の隅つつくような話ですが、結局、名目成長率の想定をどこに置くのかと、マイナスの実質金利が実現するかどうかに左右されてしまうのではないだろうか。

 ちなみに2025年までの推計値では社会保障費はそんなにGDP比では伸びない。年金の比率の減少があるからだ。

 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/dl/shouraisuikei.pdf

 そのあとの伸びも、2030年〜2035年に自己負担比率を今の30%から40%にしたら現行水準の給付+10〜25%に抑え込めるから、実はそんなに大変ではない。と、いうことは消費者サイドとしては、2030年〜2035年にそれほど、名目GDPに成長がみられなかったら、高確率で「消費税が2〜5%増加する」か「医療費自己負担比率が4割くらいに上がる」*1と考えないといけない。たぶん、やりやすいのは消費増税の方。
 下記の大和総研の資料左図から、単純推計すれば、医療費の増大に対して自己負担比率を4割負担にする(か消費増税する)ことで、民間GDP比率負担は二倍近く膨れ上がるが、政府負担は10〜25%増で済む計算だ。

http://www.dir.co.jp/research/report/japan/mlothers/20150917_010141.pdf

 そのため、医療費による財政破綻というのはあまりないように思う。
 ただ、名目GDP成長次第では医療費による民間経済の疲弊はあり得るかもしれないので、そこは心配。 

*1:2035年の名目GDPが610兆円で、対GDP比が10%だと医療費は61兆円で、自己負担比率40%だと24.4兆円。30%だと、18.3兆円だから、差額が、6.1兆円。610兆円の名目GDPに対して消費性向が60%だとして、42兆円が消費総額で、単純に1%の消費税増で4.2兆円の増収だけど、本当はもっと少ない。だから、不足すると思われる6.1兆円を吸収するためには、2%か多くて5%程度の増税幅が必要なのかもと思う。