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各国の「信用拡大」の状況 | 三菱東京UFJ銀行 経済調査室ニューヨーク駐在情報

 各国の民間債務残高の対GDP比率は軒並み上昇している。
 民間債務残高の上昇は、確実にバブル崩壊の引き金を引く要因であるため注視するべきデータだ。
 また、これらの上位国では、株価が急上昇している。主要国以外での先行バブルが発生していると見るべきだろう。

 つまり、「民間債務残高対GDP比率上昇=株価上昇」という強い関係性が見出せる。

 http://www.bk.mufg.jp/report/ecostw2015/BTM-FOCUSUSAJ-W-1-5-2015.pdf

 「過去数年において民間債務の増加ペースが速めであった国には、香港をはじめ FRB の金融政策から影響を受け易いとみられる国も散見される。FRB の今後の金融政策正常化が、それらの国で「急速な信用の抑制」や「相次ぐ返済困難な状況」をもたらさないかどうか注視が必要だ」としており、端的に言うと、FRBが金融引き締めに転じた場合、一部新興国でデフォルト発生がありうる、それに伴い通貨危機や、バブル崩壊が危険視される、ということになる。

 債務増加の大きい国は下記となっている。特に香港は不動産価格が200%の上昇を見せており、崩壊の危険性が比較的高いと考えられるのではないか。もし香港不動産に投資しているのであれば、そろそろ換金して債務比率の低い国に逃げるべき時だ。
 「過去数年でみると、香港や中国等で民間債務の増加ペースが速め各国別にみると、2013 年末の民間債務残高対名目 GDP 比が大きい国は、順にルクセンブルク(419%)、アイルランド(302%)、香港(261%)、スウェーデン(254%)、デンマーク(249%)となっている(第 1 表)。適正な(≒均衡し得る)民間債務残高の対名目 GDP 比は、各国の産業構造や発展段階等により異なると考えられるため、当該比率の一時点の大小だけで問題を抱えているであろう国を判定することは難しい。
そのため次に、各国の民間債務残高対名目GDP比の上昇ペースを確認する。2008年から2013年までの 5 年間(≒FRB による大幅な金融緩和政策の実施期間)において民間債務残高対名目 GDP 比の上昇幅が相対的に大きかった国は、香港(+74%ポイント)、中国(+64%ポイント)、スイス(+35%ポイント)、タイ(+28%ポイント)、トルコ(+27%ポイント)、シンガポール(+27%ポイント)、ブラジル(+25%ポイント)、マレーシア(+23%ポイント)となっている。
また、これらの国で民間債務を企業部門と家計部門に分けて確認すると、香港(企業債務+63%ポイント、家計債務+12%ポイント)や中国(企業債務+48%ポイント、家計債務+15%ポイント)、トルコ(企業債務+18%ポイント、家計債務+9%ポイン)は企業債務が増加の主体。一方、タイ(企業債務+4%ポイント、家計債務+24%ポイント)やシンガポール(企業債務+9%ポイント、家計債務+18%ポイント)は家計債務が増加の主体となっている。」

 また、債務比率の上昇があまりない国は、日本、ドイツ、米国、サウジアラビアインドネシア、アルゼンチン、南アフリカなどであるため、これらの国に回避的に資金が流入する可能性もあるだろう。ただし、全世界的に債務比率が上昇していることに注意が必要だ。次のバブル崩壊は全世界を巻き込むことになるかもしれない。

 ・2013 年末の民間債務残高対名目 GDP 比が大きい国の株価チャート 
 ルクセンブルグ以外の国には明白な株価上昇傾向がある。
 
 ・ルクセンブルグ(419%) http://jp.investing.com/indices/ftse-61-pfandbrief
 

 ・アイルランド(302%) http://www.bloomberg.co.jp/apps/cbuilder?T=jp09_&ticker1=ISEQ%3AIND
 

 ・香港(261%)http://stock.searchina.ne.jp/data/chart.cgi?type=chart_mon&code=HSI

 ・スウェーデン(254%) http://jp.investing.com/indices/omx-stockholm-30

 ・デンマーク(249%)http://jp.investing.com/indices/omx-copenhagen-20