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株価は何で決定されているのか 株価と企業収益

 株価の研究で、企業収益との相関関係に注目して研究されている例は意外に少ないように思う。(ページ末に関連しそうな論文検索結果を書いてみた。あまりそのものズバリなものがない・・・。何でだろう・・・。)
 あまりにも当たり前のことなので、調べても仕方がないと思われるのかもしれないけど、「収益が増える=株価が上がる」という常識を確認したうえで、そこからこぼれるデータから面白い現象が出てきそうな気がする。
 以下の資料は、非常に示唆に富んでいる。

 株価と収益の関係 (すみ田たかゆき)

 この研究では、半年先の企業収益の見込みから、現在の株価が決定されているという傾向を読み取っている。


 その数式は、「経常利益の対前年変化率=東証株価指数12月移動平均の対前年変化率 ×1.15−0.06」となり、半期先の企業収益が10%変化(増加)すると予想される場合、株価は約8.7%程度増加することになる。


 私の個別のデータの分析でも、GDP成長率のデータに先行して、株価が変動していることが観測された。
 興味深いのは、「上記の分析では、株価は12月移動平均の対前年比を扱っていることから、実際には約半年前を中心とする1年間の平均を当期の経常利益の伸び率と比較しているになるので、ほぼ半年前の株価が当期の経常利益との間で一定の関係を持つことになる。これをさらに前後に四半期、2四半期ずらして比較すると、こうした高い相関は得られない。すなわち、株価(の変化)は、収益(の変化)の約6か月の先行指標であるということになる。これは、企業における次の半期の収益予想が四半期決算において行われていることと関係しているものと考えられる。」とあるように、時期が少しでもずれると相関関係が見られないという点である。
 この変化はGDPデータでも出てきたもので、この不思議な先行性が何に起因しているのかが気になっていた。
 理由としてあげられている「企業における次の半期の収益予想が四半期決算において行われていることと関係しているものと考えられる。」は非常に信頼性の高い仮説であると考えられる。四季報の予測値を見て投資行動するのは自然なことだと思えるので。

 この研究では、大きなデータにまるめられた収益と株価の関係を見ているが、個別の株式の数式は別のものになると、私は推定している。それぞれ個別の株式のデータを調べると、おそらくだが、収益が上昇し続けているか?上昇率が上向きに推移しているか、などの「勢い」を、観測して評価に組み込んでいく姿が見えて来るのではないか推定している。しかも、そこから極端な動きをする株式を抽出できれば、何が市場において発生しがちな誤認であるか、を見ることもできるようになるだろう。

 PERがどのように変化するのかのデータなども組み込んで分析をすることで、企業がどのような収益予測を出すかに応じて精度の高い株価予測を立てることができるようになるだろう。ただし、企業の収益についての確度の高い情報を得なければいけないので、それはインサイダーなんじゃないかとも思ったりするけど・・・。


 ・株価と収益と関係しそうでそうでもないかも知れない論文たち
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 Link between Financial and Nonlinear Systems (経済物理学--社会・経済への物理学的アプローチ)株価や為替の収益率は正規分布よりも裾野が厚いことが知られている。この現象を説明するモデルとしてEhrenfestモデルを一般化したモデル(ELJ)[2]を紹介した。また、市場でディーラーが多数派を志向して行動することとディーラーの行動が価格から影響を受けていることに着目したモデル[3]を紹介した。さらに、そのような系が非線形方程式で知られるvander Pol方程式に帰着することを示した。
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