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ファットテイルと正規分布

 まだ思い付きのメモ的なものです。
 ファットテイルについての下記の記事を読んで、ずっとこの現象と他の現象との繋がりを考えています。
 ファットテイルの簡単なモデル化について

 何かすごく大事なことがあるのではないか・・・と。
 
下記のように現時点の妄想を書きとめておきます。
 正規分布とファットテイルと極端な一点分布(ほぼ中央値に一直線な分布)の3つの状態があるとして。

 上記の記事ファットテイルの簡単なモデル化についてのように、価格が、とても狭い中央の範囲に収まっていて、市場と価格がすべての情報を取り込んでいて、超過利得も発生し得ません。
 でも、実際には情報は不完全で、お互いに不信感があり、「値幅感覚」は広いため、分布は少し広がってファッテイルが発生します。
 

 正規分布     |  ファットテイル  |   一点分布   |
 値幅が極端に広い |  値幅が広い    |   値幅が狭い  |


 そして、それをさらに、もっと値幅感覚が広い正規分布に近いところまで拡張して考えることができるのかどうか、というのが今の妄想です。


 正規分布の世界では、それぞれの参加者は「完全に独立」であり、「相互にコミュニケーションをとりません」そのため、「値幅感覚」は極端に広く、取引は確率的にしか決定されませんが、市場参加者は一切気にとめません。
 値が独立であること、そして正規分布と確率が支配すること、が満たされている、これを強引に下記のように考えることで、妄想が深化します。

 
 正規分布     |  ファットテイル  |   一点分布   |
 値幅が極端に広い |  値幅が広い    |   値幅が狭い  |
 自然       |  人間社会     |   経済学上の
 非コミュ     | 不完全コミュ     |完全コミュニケーション|

 
 理論的には、情報完全であれば、常に均衡点に求まるはずの価格は、その位置にはたどりつきません。
 一つは、ナッシュ均衡の実時間での計算不可能性ゆえだと思います。
 もう一つは、情報完全状態を作るためには、経営状態を全てリアルタイムで知り、それをモデル化してインパクトをスコアリングしないといけません。もちろん、そんなことできないので、現実は不完全コミュニケーション状態です。

 だから、ファットテイルに近づいていきますが、その状態がさらに進むとどうなるのか、「もっと不完全で、それぞれが独立だったらどうなるのか」ということです。

 仮説として、その分布が正規分布なんじゃないかと思える。(思えるだけなので、裏付けはありません・・・。)

 「言語」(もしかしたら調べてみたら「動物同士の交信」とかもそうかも知れないが)などでコミュニケーションをとる生き物は、情報を「正規分布」から中央に偏った分布に移動させていく傾向にあるのではないか。(それが種の生存最適行動になるからなんだと思いますが。)
 私たちが理論上想定している経済学上の完全コミュニケーションは、現状は実現しずらいので、やや自然状態に分布が戻るのではないか。

 ただ、人間でも、「身長」のようにDNAによってランダムなかけ合わせで決定されることは「正規分布」します。

 だから、ランダマイズされる時とされない時の違いが原因なんじゃないかと想定しています。
 それが、「コミュニケーションの有無」「相互の情報のやり取りの有無」なんじゃないだろうか、と思うのです。


 ・自然状態では、コミュニケーションがないため超過利得が発生しても、早い者勝ちで特に公平性は問題にならない。資源は確率的に分布していて、個体は確率的に移動して、確率的に死ぬ。

 ・人間社会状態では、コミュニケーションがあるため超過利得が発生した場合、それはコミュニケーションが可能な範囲内でバレるが、可能な範囲内で各自は隠そうとする。公平性が問題となり、資源は速やかに配分され最大限に機会利用される。資源は情報に基づいて効率的に発見され、確率的な範囲が狭まる。個体はやや計画的に移動し、なるべく長命を維持しようとする。

 ・完全コミュ社会状態では、いかなる資源も速やかに発見され完全に公平に分配され超過利得はない(だから取引機会はすべてフェアだし、常に取引は行うべき行為になる)。資源は急速に消耗する。確率的な範囲はほぼなくなり、資源も労働力も完全使用状態に近づく。個体は完全に計画的に移動し、資源の消失まで最大限に生存する。

 ということなんだろうか。