明治精神史 色川大吉・著

明治精神史〈上〉 (岩波現代文庫)

明治精神史〈上〉 (岩波現代文庫)

どう考えて、どう生きていくべきか、と考えるときに、答えはない。
それでも、人がどう考えてきたかを知ることは、とても参考になる。


社会と対峙し、帝国主義化する日本に否を突き付けた人がいた。
あるいは、日本のより一層の欧化、西洋化を唱え、資本主義の輝かしい未来に向けて若者を鼓舞した人がいた。
そして、民衆の中に、勤労を旨とし、志を抱きながら、見出されることのない、たくさんの人たちがいた。


その「態度」の在り方とは一体何なのだろうか。

一つ芯の通った実感のある感覚と理念を、今、私は持つことができるのだろうか。
それは、あるべき姿を問うことから始まるのかもしれない・・・。


日本のあるべき姿は「諸外国のために働く」、だと考える。
それは、明治時代に、日本人が、日本人自身を助けるために働いたように、他人のために働く、日本人だけではなくてすべての国の人々のため働くことなのだと思う。

そして、その対価が諸外国から頂ければ、借金が返せて、福祉を支えることができる。
できなければ、どらちもできない。 と、いうことなのではないかと思った。