ブレストワークショップをつくる

ブレストワークショップを作るときに、考えたこと。

www.worksight.jp

 

ブレストにレベルがいくつかあるという濱口さんの話に沿って考えると、ともかくアイデアをたくさん出したいという時のワークショップと、アイデアから何か実際に使えるものを導きたいという時では、結構違う。

また、アイデアから切り口を切り出していき、あたらしい観点や考え方の傾向をつかんでから、それを壊すという流れでやるのと、業界全体で共有されている常識的な解決策がある状態でそれを壊すのではまた違う。

 

例えば何が自分たちの強みなのかを特定できていない場合には、最初に強みの仮説を作らないと前に進めない。そこで事業領域を特定してから、さらに考えていくことになると思う。

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・強みの仮説を作り出すワーク

 新規事業を考えることがミッションとしてはあるけど、今のリソースがどんな強みのもとに構築されてきたものなのかが近すぎて見えにくくなっている場合。

 課題意識としては、たとえばこの2つがあるとして

  1. 今のお客様に新しいサービスを提供しなければならない
  2. 今のサービスを新規のお客様に提供しなければならない

 これだけだと、自分たちならできるのかどうかがわからない。つまり決定力に欠けるので推進しずらい・・・。

 なので、まずこれがあるからできるんだという仮説を生み出す。

 

1・強みの可視化

 今自社や自分たちが持っているものを大量に付箋に書く

 

2・面白そうなリソースに対して、それを活用したアイデアを考える

 アイデアの中でよさそうなもの上位3つを説明してもらう。

 その時に、なぜそれが良いアイデアなのかの観点を丁寧に説明してもらい、その軸を抽出する。

 

3・良さそうな軸を2つ取り出す

  軸の取り出しは、各島ごとに選んで良い、この軸の中で、両軸の中にない領域を探していく。

 

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・業界の仮説を抽出するワーク

この業界では「◯◯(A)を◯◯(B)にしなければならない」

 ↓

Aをブレスト

 ↓

Bをブレスト

 ↓

AとBの結果を組み合わせる

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上をもっと進化させるとすると、

 

この業界では「◯◯(A)を◯◯(B)にしなければならない」

 ↓

Aをブレストした後に、そのアイデアの軸を抽出する

 

Aに対して2軸で考えて、良さそうな領域を出す

 ↓

Bをブレストした後に、そのアイデアの軸を抽出する

 

Bに対して2軸で考えて、良さそうな領域を出す

 ↓

AとBの結果を組み合わせる

 

 これだと、四次元的な感じになるから、良いのではないかとも思える。

エッセンシャル思考を読んだ

 エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にするを読んだ。

  1. 寝るのが良い。
  2. ともかく集中する。
  3. 断ると結局集中できるから誉められる。

という内容です。

それ以上のことはないけど、逆に色んなことに注意が広がってすべての方向に1ミリずつしか進めていない人はダメみたいになっているけど、ダメなのかどうかを考えてみたらいいのではないかとは思った。

エッセンシャル思考では、集中してどこかからどこかまでの移動距離を伸ばしていくのが偉いし成果ということになっているけど、いろんなことを薄く広く成果でているかどうかわからないほどに幅広くやっている人が無数にいたら、どうか。

すべてのひとが1ミリずつ進んでいるように見えて、団子状態になることでその1ミリずつが巨大なパワーを発揮しているのではないか。誰にも見えてないだけで。

確かにある期間を限定すると、何かを一個終わらせた方が気分は良いけど、3年から4年の間で、細かいことを大量にやると、実はその中でも2つくらいは成果に結びついているということもあるかもしれない。

  1. 寝ない。
  2. ともかく分散する。
  3. 断らないで破綻して怒られる。

この方針でどうか。この3つだったら単純に怒られるからいやですね。

そして、エッセンシャルでいくとたぶん怒られないのだけど、それはそれで不安になるというか心の強さは必要になってくる。怒られることに慣れていると、自分が破綻するまでやっていることへの変な満足感みたいなのが出てくる。余裕持たせている自分が悪いことしているんじゃないかという罪悪感がはんぱない。 

だから、もう、そういうのは考えないことにして、シンプルに寝る時間を増やすことに集中しよう。というぐるぐるした思考を呼び起こした本。

あと、何かに集中投資するのが怖い、という決断力の低さがあるからダメなのかもしれない。そういうのを決断せずに目前のことだけやってたい、みたいな気持ちがある。圧倒的な目前大好き感覚。意識を高めたくない思考。これがあるな。

つまりは、成果を出したくない意識と言っても良い。自分が何か成果出しているという状態がいやという、根深い意識ですね。そんなことに気づいても仕方がないのだけど。成果とかじゃないんじゃないかという。目前のことが好きなんだ、という意識を下げた方向の強い欲求に気づけた良書です。

成果という言葉も謎で。四半期ごとなのか半年ごとなのか、それとももっと長い何かなのか、ということと、数値で現れない何かなのか数なのか、とか、いろいろ成果の軸も多様です。

なので、急に成果とはを考え始めたけど、目前の何かと、ほんやりした将来の間にある中期的な目標とか決めたくない気分の人には、中長期の集中したいテーマとかそのための集中とか不要だな、という結論を自分で出しました。

なので、目前のことに集中するのに邪魔になることは断ろう。結果的にエッセンシャル。

いやでもみんな目前のこと好きですよね。中長期というと偉い感じするけど、実際には細かいタスクが大好きなはずなので、それを好きな自分を肯定してはどうか。小さい自分を全力肯定することで、何か変えようとするよけいなタスクを全部カットできる。

自分で予測しておいて行動が全然伴っていない

Jトラストの現況を受けて反省する。不動産バブルが崩壊するかも、という話題については以下のような感じのことを思っていたけど、状況がそんな感じに近づいている気もして、自分の行動が全然予測と違っている感じなので反省しかない。

まとめると、崩壊があるとしたら、

  1. 世界的な貸出資金の縮小が始まり
  2. 日本からも外資系を中心に資金流出と手じまいが始まり
  3. それにつられて国内金融機関が貸出を手じまい始めたら(これが起きるかどうかが分かれ道で)
  4. 国内のアパート建売業者、転売業者、仲介業、コンサルがあわてて売却をはじめ
  5. それを引き受ける国内投資家が、世界的な株安でダメージを受けて、投資意欲が下がっていたら(これが起きるかどうかが分かれ道)
  6. 国内の不動産がかなり下がる。

oror.hatenadiary.jp

 

書いておいてまだ脱出可能と信じていたのだとするとだいぶダメな感じ。

リスクの洗い出しとしては

 ・そもそも円安リスクを重視していた

 ・アジアシフトが全体的に進むと予測していた

 ・もし一部の国内不動産の貸し出し基準が厳しくなっても、別の金融機関が新しい貸し出し方法を見つけるのではないか

と考えていた。

 

とっているリスクとしては

 ・円高が進む

 ・アジアからの資金引き上げが急速に起こる、それによる対円での資産減少

 ・国内貸出需要の急速な悪化とそれによる収益低下

みたいなことが同時にあり得るかもしれない。

 

 で、それらが起きたとしてどうなるか

 ・それによって事業継続ができなくなるか

 ・一時的な収益の低下にとどまるのか

 ・収益増加につながる要素はあるか

 ということがある。

 

 新規で生み出される不良債権を買い取ることは可能になるので、それによって、収益低下を補うことができるかどうか、という点が一つ。焦げ付いた債権とか、またはコンプラ的に手放す必要がある債権を買い取って普通に回収するだけで結構利益にはなるのかも。

 もう一つは、通貨の価格が下がると普通は金利が上がるので純金利収入がふえるかもしれない。

 そのことによって、通貨の価格が元に戻ったときに実質的に収益性が改善しているかもしれないこと。

 

 中長期的に見た場合のアジアシフトがあるかどうか、という観点でいうとある。

 一方で、短期的には事業継続に影響が及ぶほどのダメージがあるかどうか、というのが判断点としてはある。

  財務指標としては、一株当たりの純資産額でみると微減しているだけなので、その観点では問題はあまりない。

 けど、実際の純資産額でみると200億円近く消し飛んでいるので、それでみるとめちゃくちゃもんだいがある。

 経済圏としては、アメリカの関税に関係のない領域として、アジアが注目されて通貨価値がそんなに下がらないパターンとかもあるのかも。ないのかも。ぐらいの感じ。

  気長に考えると、別にこのままでも良いのかもしれないが。そんなことで良いのだろうか。

今後の投資方針をばくっと考える

世界情勢を長期的に考えると、人民元・銀・銅・リンとかに投資するということになるんだけど、本当だろうか。

人民元チャート

銀価格チャート 

銅価格チャート

リン価格推移

以下の記事に、コモディティ価格の歴史が振り返られていて良かった。コモディティが上がって、かつ、労働人口が不足する、という二つがそろうことでイノベーションの条件がさらに良くなる。投資効果が出てくるので。

だけど、世界人口は増加するので、人口増加している国ではイノベーションが発生しづらいはず。ただ経済成長はするかもしれないが。もうすぐ一時的にだけど企業の時代ではなくなる。イーロン・マスクは詐欺師呼ばわりされるようになるだろう。仮想通貨もテクノロジーの魔物扱いされるだろう。しばらくはコモディティとか通貨でない資産が重要視されて株式の価値が相対的に下がる。そして、すぐに企業の時代に戻るけど。

チャート好き集まれ!コモディティの長期投資向け銘柄探し | トウシル 楽天証券の投資情報メディア

近未来予測2025 フューチャーアジェンダ

近未来に何が起きるのかをテーマにワークショップを世界で開いて専門家の意見を集めたという本。12のテーマが設定されている。

 

1・人口が爆発的に増加する

食料廃棄を減らすことで食糧の供給に対処できるのではないか。また牛肉の消費量は減らすべき。進む都市化に対して都市プランナーの役割は大きい。

2・資源が枯渇する

化石燃料からの脱却。安全な水の確保、水の再利用などは必要。銀と亜鉛2032年に、銅は2045年ごろに、チタンは2060年ごろに枯渇。リン肥料の不足と価格の高騰は2030年ごろにやってくる。これらの資源の解決めどはたっていない。

3・環境汚染に歯止めがかからなくなる

大気汚染への早急な対応が必要。また海洋汚染では2050年ごろにプラスチックの廃棄に対応できていなければ問題になるだろう。地球温暖化については根本的な対策はない。

4・移民は悪だ

移民政策が成功している国は少ない。カナダは少ない成功例だが他の国では増加するニーズに対して感情的な排斥論が台頭するばかりだ。

5・仕事が不足する

老年者が長く働き続けることで若年層の雇用が不足するだろう。技術の進化も雇用を奪う可能性がある。

6・女性の雇用水準の向上が、多くの問題を解決する

貧困からの離脱や、人口の抑制、健康と教育の普及、そして女性の労働参加による経済成長など、良い面がたくさんある。

7・技術が大きな問題を解決する

医療、エネルギー、輸送、食料生産などの面で技術は力になるかもしれない。だけど、地球温暖化や肥満などに対しては有効な技術的な手段はない。政府間の協定や保険会社の商品が解決するかもしれないけど。

8・答えは太陽エネルギーにある

太陽光エネルギーの普及は、ワット数あたりの発電コストの低減と規模の経済にかかっている。しかし、各国の補助金や技術革新のスピード・投資の持続には不確定性がある。

9・定年について考え直す必要がある

年金財源が寿命の延びに追いつかない。つまり定年を延ばす必要に多くの国が迫られるだろう。

10・医療費は増大の一途をたどる

対策としては予防医療の充実や、今までの常識を疑った簡素な医療によって劇的にコストを下げた手術など(インドでは西洋の一流病院とそん色のない医療を、わずか2%の治療費で行う)。

11・アジアの世紀がはじまる

インドか中国の時代が始まるけどどっちなのはわからない。だが、2025年から35年までに人民元が世界の基軸通貨になることはないだろう。2045年から2055年ごろまではドルがいまの地位を維持するだろう。その後に、本格的なアジアの時代が22世紀を目指して始まることになる。

12・GDP成長率は、社会の発展を評価する最適な尺度である

資本を多面的にとらえて企業の業績を評価する方法を主流にするという声が大きくなっていくのではないか。

 

時価総額/GDP比の現在値 2018年4月末時点

前回に引き続き、時価総額/GDP比の現在値(4月末時点数値)を調べてみます。すでに終末まできている感じしかない。

日本 87%(2014年4月末) → 92.5%(2014年9月末) → 112%(2015年2月末) → 111%(2015年3月末) → 112%(2015年10月末) → 104%(2016年5月末) → 115%(2017年1月末) → 113%(2017年6月末) → 123%(2018年4月末)  

時価総額の参照数値が一部のみから一部二部その他合算に変更

アメリカ 102%(2014年4月末) → 106%(2014年9月末) → 108%(2015年2月末) → 107%(2015年3月末) → 107%(2015年10月末) →  102%(2016年5月末) → 114%(2017年1月末) → 117%(2017年6月末) → 121%(2018年4月末) 

・計算式  時価総額÷名目GDP時価総額/名目GDP

 (過去から100%〜120%程度が高値圏と考えられる。バブル期の%の推移については、GDP/時価総額比率 1989年でGDP比率145.5%を参照。)

 ※参考データ

ここから想定される日経平均株価の高値のレンジは、ざっくり

 17,919円(108%) 〜 21,300円(128%)

 以上です。

何となく、グラフにもしてみた。

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関税によって、経済はどうなるのか

関税がもし定着して貿易量が全体として下がり始めた場合何が起きるのか。

一つは、貿易による収入が減少して世界的に不況とデフレが広がり始めるということが考えられる。なので、当面はやっぱりデフレ懸念がある・・・。

債務国は1920年代にアメリカ合衆国に負債の免除か少なくとも負債の軽減を行うことを強く要求した。対するアメリカ政府はその要求を拒否した。代わりに、アメリカの銀行が欧州諸国に対して大規模な貸し付けを始めた。そのため、負債(と賠償金)は古い負債を増額させて新しい負債を積み重ねることによってのみ支払われる。1920年代後半には、特にアメリカ経済が1929年以降に弱体化してからは、欧州諸国がアメリカからさらに金を借りるのが困難になった。同時に、アメリカの高い関税によって、欧州諸国が商品をアメリカ市場で売るのが非常に困難になった。借金を払い戻すために貿易によって収入を得ることもできず、欧州諸国は債務不履行を起こし始めた。

世界恐慌の原因 - Wikipedia

戦前の日本も大恐慌が始まる前からデフレ傾向が続いていたことが見て取れる。かなり長く大正10年ごろからすでにデフレ傾向・・・。

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アベノミクスで株価はどうなるか - ororの日記

 ちなみに、1)の前提はちょっと違う気がするけど、2)以降は意外と正しい感じになっていた感じがする。

1)世界の人口増加によって、各国が化石燃料資源を取り合うようになる。

2)地政学が重要になる。どの地域に国が位置していて化石燃料資源にアクセスしやすいかが重要になる。
 そのため軍事費も増大する。

3)緊張の高まりと、化石燃料へのアクセスを優先化するために地域毎に覇権国家を中心とした経済圏のブロック化が進行する。化石燃料の価格を上げるためにカルテルと軍事的な行動や威嚇が用いられるようになる。

4)資源国と、軍産複合体企業に資金が流れ込む。
全体として資源インフレ基調になり、先進国企業が利潤を確保するために労働分配率を低下させる。
そのため、先進国中間層が減少する。先進国消費者向け製品の伸び率が鈍化する。

5)勝者となる企業は、国家によって経営されているか、国家によって価格や販売先を保障されている。
軍事力が背景にある、旧来の資本主義がよみがえる。
20世紀型のマーケティング重視企業は、富裕層向けに差別化できない場合は消費者の没落と命運を共にする。

6)日本のような消費者向け商品が強い国は、貿易での優位性を失うため、次第に機械産業や軍需産業、エネルギー産業などに提供できる付加価値が高い製品への設備投資を増加させる必要に迫られる。つまり、経済的な理由によって武器三原則などを撤廃する動機が高まる。(哀しいことだが・・・。)
 一方で、消費者向け産業は衰退し始める。

 

参考例)
ロシアの経済制裁イギリスは参加していない。
これは、ロシアの富裕層や企業の資金決済をイギリスの金融界が引き受けることを示している。
つまり、経済制裁は機能しない。
また、イギリスBPはすでに多額の資金をロシアに投資しており、グローバルな資本はロシアの行動によって利潤を得る道を探していることも示唆されているだろう。

資本の自由化以降、日本の景気対策費も、実際には国内の設備投資に向かうことなく海外に流出した可能性が考えられる。(金額の推移などを確認する必要があるが。) 
資本の利潤は、「稀少性」を物理的に軍事的に創り出すような力学を働かせ始めてもいると想定もされるだろう・・・。端的に言えば、かつての植民地資本主義と同じように、利益を得るためには軍隊が必要な時代になってきている。あるいは、国家が資本家の利益のために使われる時代になってきている。 投資家目線では、予測はある程度しやすいと言えるが道義的には問題が大きく、個人の利益は犠牲になっていくだろう・・・。

今後の世界経済と投資 - ororの日記